東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は5日ぶりに反落となりました。日経平均は寄り付きの185円高の26,830円をほぼ高値に上げ幅を縮めると取引開始から30分余りで下落に転じ9時50分過ぎに82円安の26,561円まで下落しましたが、下げ渋ると持ち直し先週末の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりました。しかし、13時過ぎから売りが優勢となり下げ幅を広げると節目の26,500円を割り込んで14時10分過ぎには238円安の26,405円まで下落し本日の安値を付けました。26,400円を前に踏み止まった日経平均はその後やや戻したものの、26,500円を小幅に上回ったところでは上値が重く結局211円安の26,433円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落しています。

2.個別銘柄等

東京ドーム(9681)が28.7%上昇し先週末に続いてストップ高となりました。三井不動産(8801)が読売新聞グループ本社と共同で東京ドームを買収し、東京ドームに1株1,300円でTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことで買いを集めました。シリコンウエハー大手のSUMCO(3436)も8.5%高となり年初来高値を更新しました。ドイツのシリコンウエハー企業が台湾のシリコンウエハー企業への身売り交渉が進んでいると明らかにしたことで競合が減り競争環境が緩和するとの思惑から物色されました。引けは1.1%高に止まりましたがシリコンウエハー大手の信越化学工業(4063)も一時5.2%高まで買われ上場来高値を更新しています。池上通信機(6771)も18.8%上昇しストップ高となりました。世界最速の1時間当たり最大 70 万錠の処理能力を持つ錠剤検査装置を開発したと発表したことが材料視されました。また、国内大手証券が目標株価と投資判断を引き上げたことで大王製紙(3880)が一時2.6%高となる場面がありました。上げ幅を縮め引けは0.7%高となっています。

一方で国内大手証券が目標株価を引き下げたことでニコン(7731)が5.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は211円安となりました。先週末の米国市場が米政権の移行が円滑に進むとの期待などから上昇し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が揃って史上最高値を更新したことを受けて上昇して始まり一時26,800円台を付けましたが、朝方の買いが一巡すると下落に転じ後場に入って下げ幅を広げました。戻り目途の一つとみられていた1989年に記録した過去最高値(38,915円)から2009年に付けたバブル崩壊後の安値(7,054円)までの下げ幅の61.8%戻し(26,745円)の水準を一時上回ったことで一旦達成感が出たのかもしれません。

しかし、4日間で1,100円以上上昇し25日移動平均線との乖離率が先週末時点で7.5%まで開いていたことからすると当然のスピード調整だともいえます。なお、日本時間の23時45分には11月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が発表される予定です。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )