東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続伸となりました。日経平均は41円安の26,255円でスタートしましたが、寄り付きを安値に下げ渋ると取引開始から20分余りでプラスに転じ11時20分に178円高の26,475円まで上昇し173円高で前場を終えました。後場はやや上げ幅を縮め120円高の26,417円でスタートした日経平均ですが、14時ごろから一段高となり節目の26,500円を超えて14時20分過ぎに263円高の26,560円まで上昇し本日の高値を付けるとその後も26,500円を上回って推移し結局240円高の26,537円で取引を終え年初来高値を更新しています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

日本電産(6594)が4.8%高となり上場来高値を更新しました。世界的に脱ガソリン車の流れが強まるなか昨日はハイブリッド車専用としたノートの新モデルを発表した日産(7201)が大幅高となりましたが、本日は電気自動車用の駆動モーターを手掛ける日本電産に物色の矛先が向かいました。エムスリー(2413)も4.3%高となり上場来高値を更新しました。新型コロナウイルスの感染状況が再び深刻化するなか遠隔で医療関係者とやりとりできるサービスなどの需要が拡大するとの期待から買いを集めました。また、オムロン(6645)も目標株価の引き上げを受けて4.0%高となり上場来高値を更新したほか、信越化学工業(4063)や村田製作所(6981)、東京エレクトロン(8035)なども2-3%上昇し上場来高値を更新しています。さらにココカラファイン(3098)も6.9%高となり年初来高値を付けました。香港を拠点とするヘッジファンドが株式を5.56%保有していることが大量保有報告書で明らかになったことが材料視されました。ジャスダック市場では大戸屋ホールディングス(2705)が株主優待制度を拡充すると発表したことで急伸し9.6%高となっています。一方で日本航空(9201)が8.0%安となりました。本日が公募増資株の受渡し日に当たり、足元の株価が公募価格を上回っているため利益確定の売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は240円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均が反落となったこともあって小幅に下落してスタートしましたが、寄り付きを安値に下げ渋るとプラスに転じました。昨日時点での25日移動平均線との乖離率が7%を超え短期的な過熱感もあるなかで売りに押されてもおかしくなかったといえますが、底堅さをみせたことで買いが優勢となりました。そして前場こそ節目の26,500円を前に上値を押さえられましたが、後場に入って上げ幅をさらに広げたことで節目の26,500円を超えてきました。相場の地合いの強さを改めて感じさせるような展開で一段高への期待が高まりそうです。なお、今晩の米国市場は感謝祭の祝日で休場です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)