【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 29,872.47 ▼173.77 (11/25)
NASDAQ: 12,094.40 △57.62 (11/25)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は利益確定の売りに押されて3日ぶりに反落となりましたが、主力ハイテク株の一角が買われたことでナスダック総合株価指数は3日続伸となり史上最高値を更新しました。12ドル高でスタートしたダウ平均ですが下落に転じると下げ幅を広げ昼前に239ドル安まで下落しました。その後午後に入って持ち直したダウ平均ですが上値は重く結局173ドル安の29,872ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も5ポイント安の3,629ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は57ポイント高の12,094ポイントとなり9月2日に付けた史上最高値(12,056ポイント)を更新しています。
2.経済指標等
7-9月期の米実質GDP改定値は速報値と変わらずの年率換算で前期比33.1%増となり市場予想を下回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週から3万件増の77万8000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。11月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も76.9と速報値から下方修正され市場予想を下回りました。10月の米個人所得も前月比0.7%減となり市場予想を下回っています。一方で10月の米個人消費支出は前月比0.5%増となり市場予想を上回りました。10月の米耐久財受注額も前月比1.3%増となり市場予想を上回りました。10月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比0.3%減の99万9000戸となりましたが市場予想を上回っています。また、11月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、多くの参加者がかなり早期に資産購入のガイダンスを強化すべきとの意見だったことが判明しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、エネルギーが2%以上下落したほか、素材も1%余り下げました。一方で一般消費財・サービスや情報技術などの4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
主力ハイテク株の一角が買われ電気自動車のテスラ(TSLA)が3%以上上げたほか、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とツイッター(TWTR)も2%を超える上昇となりました。半導体株ではアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)が2%前後の上昇となっています。また、百貨店大手のノードストローム(JWN)が決算で1株損益が黒字を確保したことが好感され急伸し11%以上上げています。ビジネス対話アプリのスラック・テクノロジーズ(WORK)も顧客情報管理大手のセールスフォース・ドットコム(CRM)が買収交渉を進めていると伝わったことで急伸し37%を超える上昇となりました。一方でセールスフォース・ドットコムは5%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。カジュアル衣料大手のギャップ(GPS)も決算で1株利益が市場予想を下回ったことで急落し19%以上下げました。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの0.88%となりました。ドル円は104円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。短期的な過熱感が意識されるなかで日経平均が昨日までの堅調な地合いを維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)