東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて3日ぶりに反落となりました。日経平均は154円安の25,860円で寄り付き直後に132円安の25,882円までやや持ち直した後下げ幅を広げると取引開始から50分余りで295円安まで下落しましたが、下げ幅を縮め197円安の25,817円で前場を終えました。199円安でスタートした後場は東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が最多の493人になったと伝わったことで14時20分頃から一段安となり下げ幅を広げ14時30分過ぎに357円安の25,656円まで下落し本日の安値を付けました。その後引けにかけてやや戻した日経平均ですが結局286円安の25,728円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。

2.個別銘柄等

銅価格の下落を受けて非鉄大手の住友金属鉱山(5713)やDOWAホールディングス(5714)、三菱マテリアル(5711)などが軟調でした。住友金属鉱山が2.2%安、DOWAホールディングスも3.5%安、三菱マテリアルも3.0%安となりました。また、104円近辺まで円高が進んだことで自動車株も総じて安くホンダ(7267)が3.8%安となったほか、トヨタ(7203)が1.6%安となっています。

一方でテレビ会議システムのブイキューブ(3681)が7.3%高となりました。新型コロナウイルスの感染者が急増していることを受けて、北海道が道民に対し札幌市内で不要不急の外出を控えることや、札幌市と道内のほかの地域との行き来を控えるよう要請したことに加えて、東京都でも感染状況の警戒レベルを4段階の指標で最も深刻な「感染が拡大している」との評価に引き上げる方向で最終調整に入ったと伝わったことで在宅勤務などの需要が増えるのではとの思惑から買いを集めました。美容機器を手掛けるヤーマン(6630)も11.9%高と急伸しました。家で過ごす時間が増えたことで主力の美顔器の販売が増加していることなどから通期の営業利益の見通しを26億円から58億円に引き上げたことが好感されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は286円安となりました。米小売売上高が市場予想を下回り消費減速が懸念されるなか利益確定の売りが出て昨日の米国市場が3日ぶりに反落となったことで売りが優勢となりました。一旦は5日移動平均線(25,711円)を前に下げ渋り切り返しましたが、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が最多になったと伝わったことで後場に一段安となり下げ幅を広げる場面もありました。しかし、今月に入って昨日までに3,000円以上も上げていることからするとこの程度の下げはスピード調整の範囲だといえそうです。なお、18日の米国では画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)