株と米ドル/円の関係

4月以降の米ドル/円とNYダウのグラフを重ねてみると、米ドル安・円高傾向と株高傾向がほぼ重なって推移してきた(図表1参照)。そして今週に入り、米国を始めとして世界的に株価の高値更新が続く中で、米ドル/円は下落、米ドル安・円高が続いた。ではこのまま株高・円高が続くのか、それとも株安に転換したら円安(米ドル高)となるのか。

【図表1】米ドル/円とNYダウ(2020年4月~)
(出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成)

ところで、過去半年間において、米国株、NYダウが1割程度下落した局面は6月、9月、そして大統領選挙前の10月と3回あった。この3回の米ドル/円の動きを見ると、基本的には下落傾向となっていた(図表2参照)。

【図表2】米ドル/円とNYダウ(2020年4月~)
(出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成)

以上のように見ると、米ドル/円は、株高、リスクオンで下落(米ドル安・円高)、そして株安、リスクオフなら上昇(米ドル高・円安)となるかといえば、必ずしもそうではなく、これまでは株安、リスクオフが一定期間継続的に展開する場合は下落(米ドル安・円高)となってきた。これは、どう考えたら良いか。

最近にかけて「リスクオフの米ドル買い」、「リスクオンの米ドル売り」が基本のようになったのは、「究極のリスクオフ」といえそうなコロナ・ショックで基軸通貨・米ドル買いが殺到した影響があっただろう。

ただし、「コロナ前」の基本は、むしろ「リスクオフの円買い」だった。こういったことから、株安、リスクオフが一定期間続くと円買いが盛り返す結果、米ドル/円は下落するということではないか。

米ドル/円は、年初来の安値圏で推移しているが、以上見てきたことを参考にすると、下落が続くかは、株高が続くかだけでなく、継続的な株安になるかも目安といえそうだ。