東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となり、およそ29年ぶりに節目の26,000円を回復しました。日経平均は136円高の26,043円と節目の26,000円を上回って寄り付くと直後に150円高の26,057円まで上昇しましたが、上げ幅を縮めると10時40分過ぎに下落に転じ11時10分前に55円安の25,851円まで下落しました。前引けにかけて持ち直し6円高の25,913円で前場を終えた日経平均は31円高で後場をスタートさせると13時40分頃から上げ幅を広げ26,000円を再び上回り14時に120円高の26,027円まで戻しました。その後26,000円を挟んで小幅に揉み合う展開となった日経平均ですが結局107円高の26,014円で取引を終え年初来高値を更新しています。一方で新興市場は安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

日本航空(9201)とANAホールディングス(9202)が大幅高となりました。新型コロナウイルスワクチンの普及で経済の正常化が進むとの期待に加えて、外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたこともあって日本航空が3.7%高、ANAホールディングスが4.2%高となりました。また、ワクチンの普及による経済正常化への期待からJR本州3社も高く、JR東日本(9020)が4.1%高、JR東海(9022)が4.4%高、JR西日本(9021)が4.3%高となっています。さらに投資判断や目標株価の引き上げに反応したのが三菱重工業(7011)や小糸製作所(7276)、三井化学(4183)などで、国内大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことで三菱重工業が7.0%高となったほか、小糸製作所も外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたことで2.4%高となり、三井化学も国内大手証券が目標株価を引き上げたことで2.2%高となりました。一方でカプコン(9697)がサイバー犯罪集団による不正アクセスで日本と米国の顧客や取引先、従業員などの個人情報が最大35万件流出した可能性があると発表したことで2.9%安となりました。リクルートホールディングス(6098)も一時3.1%安となりました。上期決算を発表し未定としていた通期の業績予想を公表しましたが、営業利益の見通しが市場予想に届かなかったことが嫌気されました。やや下げ幅を縮め引けは2.2%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は107円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均が新型コロナウイルスワクチンの普及で経済の正常化が進むとの期待からおよそ9ヶ月ぶりに史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。その結果、節目の26,000円を1991年5月14日以来およそ29年ぶりに回復しましたが、26,000円を超えてくると上値が重く伸び悩むと下落に転じる場面もありました。25日移動平均線との乖離率が8%まで開いていることもあって短期的な過熱感がさすがに警戒されているようです。なお、日本時間の22時30分に10月の米小売売上高が発表されるほか、23時15分には10月の米鉱工業生産・設備稼働率が発表される予定です。また、17日の米国ではウォルマート(WMT)やホーム・デポ(HD)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)