東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高とGDPの急回復を受けて大幅反発となりました。日経平均は266円高の25,652円と節目の25,500円を上回って寄り付くと大きく上げ幅を広げ10時40分前に434円高の25,820円まで上昇し419円高で前場を終えました。471円高でスタートした後場の日経平均は一段高となり14時10分過ぎに542円高の25,928円まで上昇し本日の高値を付けるとその後も高値圏で推移し結局521円高の25,906円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となりました。

2.個別銘柄等

日本郵政3社が揃って大きく上昇しました。日本郵政(6178)は傘下のゆうちょ銀行(7182)の運用改善で通期の経常利益の見通しを5200億円から6200億円に上方修正したことで9.3%高となり、ゆうちょ銀行も5.5%高となりました。かんぽ生命保険(7181)も上期の経常利益が前年同期比で二桁の増益となったことから6.3%高となっています。また、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)も外貨預金残高の増加や経費削減などを背景に通期の純利益の見通しを5500億円から6000億円に引き上げたことで3.5%高となっています。マツモトキヨシホールディングス(3088)も人件費や販促費など経費の抑制策が寄与することで通期の営業利益の見通しを305億円から350億円に上方修正したことで10.6%高となり、T&Dホールディングス(8795)も自社株買いを発表したことで7.4%高となりました。さらにパナソニック(6752)が4.9%高となりました。社長交代と持ち株会社制への移行を発表したことで改革が加速するとの期待が高まりました。一方で第3四半期の営業利益が前年同期比で大幅な減益となったガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)が4.2%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は521円高となりました。新型コロナウイルスのワクチン開発の進展への期待が継続し先週末の米国市場が大きく上昇し、S&P500株価指数が史上最高値を更新したこともあって大幅高となりました。また、寄り付き前に発表となった7-9月期の実質GDPが4四半期ぶりにプラスに転じ前期比年率で21.4%増と4-6月期の28.8%減から急回復し市場予想を上回ったことも追い風になりました。その結果、日経平均は節目の25,500円を大きく上回り25,900円台を回復しました。短期的な過熱感もあるなかでこのままの勢いを維持し節目の26,000円を回復できるかが明日以降のポイントとなりそうです。なお、決算発表も先週でほぼ一巡となり今週は決算を発表する企業もわずかですが、本日も引け後にリクルートホールディングス(6098)やあおぞら銀行(8304)などが決算を発表する予定です。また日本時間の22時30分には11月の米ニューヨーク連銀製造業景気指数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)