東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて9日ぶりに反落となりました。日経平均は115円安の25,405円で寄り付くとまもなくして64円安の25,456円まで戻すなどしばらく下げ渋っていましたが、9時30分過ぎから下げ幅を広げると前引け間際には295円安の25,225円まで下落し274円安で前場を終えました。282円安でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に305円安の25,215円まで下落し本日の安値を付けましたが、引けにかけて下げ幅を縮めると結局135円安の25,385円と後場の高値で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇した一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。

2.個別銘柄等

日産(7201)が8.8%高となりました。昨日の引け後に発表した決算で上期の営業損益は1590億円近い赤字となったものの、構造改革を進め固定費削減を進めたことなどから市場予想ほど赤字が膨らまなかったことや、通期の営業損益の見通しを4700億円の赤字から3400億円の赤字へと上方修正し赤字が縮小する見通しとなったことが評価されました。また、東京エレクトロン(8035)が2.7%高となり上場来高値を更新しました。半導体製造装置最大手の米アプライド・マテリアルズ(AMAT)が昨日の米国市場の取引終了後に決算を発表し1株利益が市場予想を上回ったことで東京エレクトロンにも買いが入りました。テレビ会議システムなどを手掛けるブイキューブ(3681)も急伸し17.5%高となりました。昨日の引け後に発表した第3四半期の決算で営業損益が前年同期の赤字から黒字に転じたことや、自社株買いを発表したこともあり買いを集めました。 一方で上期の営業損益が赤字となったシチズン時計(7762)や西武ホールディングス(9024)、近鉄グループホールディングス(9041)などが安く、シチズン時計が6.0%安、西武ホールディングスが3.9%安、近鉄グループホールディングスが6.8%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は135円安となりました。昨日の米国市場が新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることを嫌気して大幅下落となったことから売りが優勢となりました。しかし、昨日までの8日間での上げ幅が2,500円以上と上昇ピッチが速く、25日移動平均線との乖離率も7.1%まで広がり短期的な過熱感が相当に高まっていたことからすると当然のスピード調整とみることもできそうです。本日は下げ渋る展開となりましたが、25日移動平均線との乖離率が依然として6%を超えるなかで週明け以降も引き続き底堅さを維持できるかがポイントとなりそうです。 なお、決算発表も終盤ですが本日も引け後にオリンパス(7733)や日本郵政3社、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)などが決算を発表する予定です。また、週明けの8時50分には7-9月期のGDP速報値が発表される予定で注目されます。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )