【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 29,080.17 ▼317.46 (11/12)
NASDAQ: 11,709.59 ▼76.84 (11/12)
1.概況
米国市場は新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることを嫌気して大幅下落となりました。ダウ平均は165ドル安でスタートすると85ドル安まで持ち直すなど下げ渋っていましたが、午後に入って米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が討論会で米経済はこの先2-3カ月は厳しい状況になるかもしれないと述べたと伝わると下げ幅を大きく広げる展開となり取引終盤に495ドル安まで下落しました。その後引けにかけて大きく下げ幅を縮めたダウ平均ですが結局317ドル安の29,080ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も76ポイント安の11,709ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
先週1週間の米新規失業保険申請件数は前週から4万8000件減の70万9000件と市場予想を上回る改善となりました。また、10月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.2%上昇に止まり市場予想を下回りました。10月の米財政収支の赤字額は前年同月比111%増の2840億7100万ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが3%以上下落したほか、素材も2%を超える下げとなりました。また、公益事業と金融も1%台後半の下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下げました。そのなかでもインテル(INTC)が3%安となったほか、ボーイング(BA)も3%近く下落しました。また、IBM(IBM)とマクドナルド(MCD)、ダウ(DOW)、シェブロン(CVX)も2%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、メディア大手の21世紀フォックス(FOXA)がトランプ米大統領が対抗メディアの設立を検討していると伝わったことで6%以上下落しました。一方で写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)が目標株価の引き上げを受けて5%近く上げています。さらに時間外でウォルト・ディズニー(DIS)が大きく上げています。取引終了後に発表した決算は新型コロナウイルス感染拡大の影響で2四半期連続の最終赤字となりましたが、動画配信サービスの契約者数が順調に伸びていることが好感されました。
5.為替・金利等
長期金利は0.10%低い0.88%となりました。ドル円は105円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。短期的な過熱感も意識されるなかで日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)