東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は7日続伸となりました。日経平均は240円高の25,145円と節目の25,000円を上回って寄り付くと寄り付きを安値に上げ幅を広げる展開となり11時頃から一段高になると432円高の25,338円まで上昇して前場を終えました。466円高でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に495円高の25,401円まで上昇し本日の高値を付けるとしばらく25,300円台で推移しましたが、14時40分前には343円高の25,248円まで上げ幅を縮める場面もありました。しかし、直ぐに25,300円台に戻すと結局444円高の25,349円で取引を終え連日で年初来高値を更新しています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

日銀が経営統合や収益力の向上に取り組むことを条件に日銀に預ける当座預金に年0.1%の上乗せ金利を付けると発表したことで地銀株に上昇するものが目立ちました。なかでも地銀大手のコンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)や千葉銀行(8331)が高く、コンコルディア・フィナンシャルグループが4.8%高、千葉銀行が3.6%高となりました。

また、昨日の引け後に上期決算を発表した富士フイルムホールディングス(4901)や太平洋セメント(5233)、ディー・エヌ・エー(2432)などが大きく上げました。富士フイルムホールディングスは医薬品の開発・製造受託の売上高が計画から上振れしたことや事務機などの販売減にも底打ちの兆しがみられることなどから通期の業績予想を上方修正したことで純利益がわずかながら増益に転じる見通しとなったことで4.4%高となりました。また、太平洋セメントも利幅のある米国でのセメント販売が想定を上回ることで通期の営業利益の見通しを引き上げ減益予想が増益予想となったことで12.2%高となっています。ディー・エヌ・エーも主力のスマホ向けゲーム事業が伸びたことで上期の営業利益が前年同期比で4.1倍と大幅な増益となったことで12.4%高となり年初来高値を更新しました。

一方でオンラインゲームのネクソン(3659)が8.7%安となりました。第3四半期の営業利益が会社計画の予想レンジの下限に届かなかったことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は444円高となりました。昨日の米国市場で新型コロナウイルスワクチン普及による経済正常化を期待した買いが続きダウ平均が262ドル高となったことから大幅高となりました。その結果、日経平均はおよそ29年ぶりに節目の25,000円を回復しました。昨日は一時25,000円を上回りながら上げ幅を大きく縮めたことから引けで25,000円を上回ることができませんでしたが、本日は昨日と違って上げ幅を広げる展開で大きく押すこともなく一日を通して25,000円をしっかりと上回って推移しました。年末に向けて一段高への期待が高まりますが、この7日間の上げ幅は2,370円以上と上昇スピードが速く、25日移動平均線との乖離率も6.8%まで開くなど短期的な過熱感が強まるなかでまずは25,000円で下値を固めることができるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表が続いていますが本日も引け後に三越伊勢丹ホールディングス(3099)や三菱地所(8802)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)