東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米大統領選での不透明感が後退し5日続伸となりました。日経平均は243円高の24,568円で寄り付くと取引開始直後に216円高の24,541円までやや上げ幅を縮めましたが、その後大きく上げ幅を広げると11時過ぎには517円高の24,842円まで上昇し473円高で前場を終えました。510円高でスタートした後場の日経平均は一段高となり13時10分過ぎに637円高の24,962円まで上昇し本日の高値を付けると引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局514円高の24,839円となり先週末に続いて年初来高値を更新して取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

日経平均が大幅高となるなか指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)やソフトバンクグループ(9984)が大きく上げました。ファーストリテイリングが3.7%高、ソフトバンクグループが5.4%高となり、この2銘柄で日経平均を180円押し上げています。また、ホンダ(7267)が9.4%高となりました。上期決算を発表し中国での販売が想定以上に回復していることなどから通期の営業利益の見通しを2000億円から4200億円に引き上げたことで買いを集めました。NTT(9432)も4.9%高となりました。上期の営業利益が前年同期比で2.6%増と増益を確保したことに加えて自社株買いを発表したことが好感されました。さらに上期の営業利益が前年同期比で5.0%増と増益を確保した日本ユニシス(8056)も急伸し14.0%高となったほか、アシックス(7936)も第3四半期の決算を発表し通期の営業損益の見通しを140億円の赤字から60億円の赤字に引き上げ赤字幅が縮小することになったことで22.3%上昇しストップ高となりました。

一方で5日にストップ高となるなど先週に大きく上げたエーザイ(4523)が本日は一転して大きく下げました。先週はバイオジェン(BIIB)と共同開発しているアルツハイマー型認知症治療薬について順調に承認されるとの見方が強まり買われましたが、米食品医薬品局(FDA)が新薬の有効性に対して否定的な見解を示したことで売りがかさみ23.6%安となりました。日本航空(9201)も公募増資などで最大約1680億円を調達すると発表したことで11.0%安となり年初来安値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は514円高となりました。米大統領選で民主党のバイデン候補が勝利宣言したことで米政治の先行き不透明感が後退したことで大幅高となりました。節目の25,000円まで一時40円弱にまで迫ったことから25,000円回復への期待も高まりますが、5日間で1,800円以上上げるなど上昇スピードが速く、25日移動平均線との乖離率も5.3%となっていることから短期的な過熱感も意識されそうで、こうしたなかで明日も堅調さを維持し25,000円を上回ることができるかがポイントとなりそうです。なお、決算発表が続いていますが、本日も引け後にJFEホールディングス(5411)や住友金属鉱山(5713)、ソフトバンクグループなどが決算を発表する予定です。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )