東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて4日続伸となりました。日経平均は29円安の24,076円で寄り付くと直後に66円安の24,039円まで下落しましたが、下げ渋るとまもなくしてプラスに転じ上げ幅を広げる展開となり前引け間際に270円高の24,375円まで上昇し262円高で前場を終えました。214円高の24,319円でスタートした後場は後場寄り直後に180円高の24,285円まで上げ幅を縮めましたが、再び上げ幅を広げると14時20分前に283円高の24,389円まで上昇し本日の高値を付けました。その後、日経平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局219円高の24,325円で取引を終え昨日に続いて年初来高値を更新しています。

こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。

2.個別銘柄等

トヨタ(7203)は11時過ぎに2.4%高まで上昇しましたが、12時45分の決算発表後に上げ幅を縮め引けは0.5%高となりました。通期の営業利益の見通しを5000億円から1兆3000億円に上方修正しましたが、市場予想とほぼ同水準でサプライズがなかったこともあって利益確定の売りに押される展開となりました。また、任天堂(7974)が一時4.1%高となりました。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅時間が増えゲーム消費の拡大につながっていることから通期の営業利益の見通しを3000億円から4500億円に引き上げたことから朝方は大きく上げましたが、徐々に上げ幅を縮めると下落に転じ引けは0.2%安となっています。ダイキン工業(6367)も5.4%高となり年初来高値を更新しました。国内で在宅勤務の拡大で住宅用エアコンの販売が想定より伸びたことなどから10月5日に引き上げた通期の営業利益の見通しを1980億円から2100億円に再度上方修正したことが好感されました。神戸製鋼所(5406)も急伸し11.6%高となりました。上期の営業損益は270億円を超える赤字となりましたが会社計画や市場予想ほど赤字が膨らまなかったことや通期の見通しも引き上げたことから買いを集めました。

一方で上期決算が冴えなかった三井不動産(8801)や古河電気工業(5801)が売られました。三井不動産は上期の営業利益が前年同期比で46%近い大幅な減益となったことで4.2%安となり、古河電気工業は上期の営業損益が33億円を超す赤字となったことで11.7%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は219円高となりました。昨日の米国市場が米大統領選で民主党候補のバイデン氏が勝利した場合でも上院で共和党が過半数を維持し企業利益にマイナスとなる大規模な政策変更は阻止されるとの見方が広がり大幅続伸となったことで大幅高となりました。その結果、昨日に続いて年初来高値を更新し2018年10月2日に付けたバブル崩壊後の高値(24,270円)を上回りました。そのため年末に向けて一段高への期待も高まりますが、この4日間で1,300円以上上げるなど上昇スピードが速く利益確定の売りも出やすいことから週明けも堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表が本格化していますが本日も引け後に日本製鉄(5401)やホンダ(7267)、NTT(9432)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の22時30分には10月の米雇用統計が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)