東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続伸となりました。日経平均は80円高の23,776円で寄り付くと上げ幅を広げ節目の24,000円を回復し11時10分に317円高の24,012円まで上昇しましたが、前引けにかけてやや上げ幅を縮めると234円高の23,929円で前場を終えました。281円高の23,976円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに335円高の24,030円まで上昇した後13時30分に236円高の23,932円まで上げ幅を縮めましたが、その後24,000円を回復し引けにかけて一段高になると大引け間際に417円高の24,112円まで上昇し本日の高値を付けると結局410円高の24,105円で取引を終え年初来高値を更新しています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

エーザイ(4523)が17.9%上昇しストップ高となりました。米バイオ製薬大手のバイオジェン(BIIB)と共同開発しているアルツハイマー型認知症治療薬について米食品医薬品局(FDA)が臨床試験で有効性を示す非常に説得力のある証拠が提供されたとの見解を示したことで新薬が順調に承認されるとの見方が強まり買いを集めました。味の素(2802)も6.9%高となりました。上期決算を発表し本業の儲けを示す事業利益の通期の見通しを900億円から1000億円に引き上げたことが好感されました。エービーシー・マート(2670)も5.3%高となりました。10月の既存店売上高が前年同月比4.1%増となり9カ月ぶりにプラスに転じたことが材料視されました。また、会計ソフトなどを手掛けるオービックビジネスコンサルタント(4733)も国内大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことで7.3%高となっています。

一方でリコー(7752)が急落し10.3%安となりました。上期決算を発表し欧州の新型コロナウイルス感染再拡大の影響でオフィスでの印刷量が減ることで通期の営業損益を下方修正し490億円の赤字となる見通しとなったことに加え、配当予想も引き下げたこともあって売りがかさみました。上期の営業損益が83億円近い赤字となった三菱自動車工業(7211)も5.3%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は410円高となりました。昨日の米国市場が上院で共和党が予想以上に健闘し過半数を維持するとの観測が強まるなか民主党が掲げてきた規制強化などの政策リスクが後退するとの見方からハイテク株やヘルスケア株が買われ大幅続伸となったことで大幅高となりました。その結果、節目の24,000円を回復し1月20日に付けた年初来高値(24,083円)を更新しました。そのためここからの一段高への期待も膨らみますが、この3日間で1,100円以上上昇していることから一旦利益確定の売りも出やすいといえます。こうしたなかで明日も堅調さを維持しさらに上値を追うような展開となるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表が本格化していますが本日も引け後にダイキン工業(6367)やニコン(7731)、任天堂(7974)、三井不動産(8801)などが決算を発表する予定で、明日は12時45分にトヨタ(7203)の決算発表が予定されています。また、日本時間の6日の4時には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表されます。追加緩和に関する示唆があるかどうかが注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)