東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅続伸となりました。日経平均は324円高の23,619円で寄り付くと直後に210円高の23,505円まで上げ幅を縮めましたが、節目の23,500円を前に切り返すと上げ幅を広げ取引開始から10分余りで502円高の23,798円まで上昇しました。しかし、上げ幅を縮めると330円高で前場を終えました。上げ幅を広げ469円高でスタートした後場の日経平均は13時10分前に506円高の23,801円まで上昇し本日の高値を付けるとその後も高値圏で推移しましたが、引けにかけてやや上げ幅を縮めると結局399円高の23,695円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は5.3%高となっています。

2.個別銘柄等

NTTデータ(9613)が急伸し11.0%高となりました。上期の営業利益が前年同期比で0.1%増とわずかながら増益を確保し市場予想も上回ったことで買いを集めました。フジクラ(5803)も急伸し一時28.3%上昇しストップ高となる場面がありました。上期の営業利益が前年同期比で54.3%増と大幅な増益となったうえ、未定としていた通期の業績予想を発表し営業利益が前期比で3.3倍となる見通しを公表したことが好感されました。また、13時に上期決算を発表したSUBARU(7270)も4.3%高となりました。通期の営業利益の見通しを800億円から1100億円に引き上げたことで決算発表後に上げ幅を広げ一時は7.4%高まで上昇する場面もありました。さらに東レ(3402)が上期の事業利益を250億円から341億円に上方修正したことで4.2%高となったほか、オリックス(8591)が自社株買いを発表したことで5.2%高となっています。

一方でカルビー(2229)が4.4%安となりました。通期の営業利益の見通しを上方修正したものの、引き続き減益予想だったことが嫌気されました。ソフトバンクグループ(9984)も一時3.4%安となりました。アリババ集団(BABA)傘下の金融会社アント・グループが香港と上海で予定していた上場を延期すると発表しアリババ集団が昨日の米国市場で大幅安となったことで売りが優勢となりました。下げ幅を縮め引けは2.4%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は399円高となりました。日本市場が休場中に米国市場でダウ平均が2日間で978ドル高となったことから大幅高となりました。しかし、米大統領選の開票作業が始まり激戦州が接戦になると時間外の米株価指数先物の動向に神経質な展開となりました。米株価指数先物が下落に転じ弱含むと日経平均も伸び悩む場面がありましたが、米株価指数先物が持ち直すと後場に入って23,800円台を付けました。本日の取引終了時点で米大統領選の大勢はまだ判明していません。そのためどちらの候補者が勝利するのかに加えて、選挙結果が速い段階で決着するのかどうかが引き続きポイントとなりそうです。

なお、決算発表が本格化していますが本日も引け後にリコー(7752)やソフトバンク(9434)などが決算を発表するほか、米国では10月の米ADP全米雇用リポートや10月の米ISM非製造業景況感指数などの発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)