(朝) 昨日の米国市場は米大統領選でバイデン前副大統領が優勢との見方が広がり大幅続伸 日本市場は米国株高で大幅上昇か

【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  27,480.03   △554.98  ( 11/3 )
NASDAQ:  11,160.57   △202.96  ( 11/3 )

1.概況

2日の米国市場は米中の経済指標の改善を受けて景気敏感株に買いが入り反発しました。ダウ平均は189ドル高でスタートするとまもなくして541ドル高まで上昇しましたが、上値が伸び悩むと昼過ぎには一旦190ドル高程度まで上げ幅を縮めました。しかし、引けにかけて再び上げ幅を広げると結局423ドル高の26,925ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も46ポイント高の10,957ポイントとなっています。

昨日の米国市場は米大統領選で民主党のバイデン前副大統領が優勢との見方が広がり大幅続伸となりました。ダウ平均は213ドル高でスタートすると昼前に690ドル高近くまで上昇した後420ドル高程度まで上げ幅を縮める場面もありましたが、取引終盤に再び上げ幅を広げると一時は715ドル高まで買われました。その後ダウ平均は引けにかけて上げ幅を縮めたものの結局554ドル高の27,480ドルで取引を終えています。また、ナスダック総合株価指数も202ポイント高の11,160ポイントとなっています。

2.経済指標等

2日に発表となった10月の米ISM製造業景況感指数は59.3と前月から上昇し2018年11月以来の高水準となり市場予想も上回りました。一方で9月の米建設支出は年率換算で前月比0.3%増に止まり市場予想を下回りました。また、昨日に発表された9月の米製造業受注は前月比0.6%増に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

2日の業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーと素材が3%を超える上昇となったほか、資本財・サービスと不動産、公益事業も2%以上上げています。

昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が上げました。そのなかでも資本財・サービスが3%近く上昇したほか、一般消費財・サービスも2%高となっています。

4.個別銘柄動向

2日の米国市場でダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもハネウェル・インターナショナル(HON)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、ダウ(DOW)が5%以上上げたほか、キャタピラー(CAT)とシェブロン(CVX)も4%近く上昇しました。ダウ平均構成銘柄以外では、保険のレモネード(LMND)が買いの投資判断を受けて5%以上上げています。一方でクルーズ船のノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が12月の運航中止と、運航停止を年末まで延長すると発表したことで3%近く下落しました。

昨日の米国市場でダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでもウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とゴールドマン・サックス(GS)が4%を超える上昇となったほか、ボーイング(BA)とウォルト・ディズニー(DIS)、ハネウェル・インターナショナル(HON)、JPモルガン・チェース(JPM)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も3%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、バイデン前副大統領が大統領選で勝利すれば電気自動車の活用が進むとしてテスラ(TSLA)が6%近く上げました。一方で決済サービス大手のペイパル・ホールディングス(PYPL)が10-12月期の1株利益の見通しが市場予想を下回ったことで4%以上下落しました。アリババ集団(BABA)も傘下の金融会社アント・グループが香港と上海で予定していた上場を延期すると発表したことで8%余り下げています。

5.為替・金利等

2日の長期金利は0.03%低い0.84%となりました。また昨日の長期金利は0.06%高い0.90%となりました。ドル円は104円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が2日間で978ドル高となったことから大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなかで米大統領選の開票結果に注目が集まりますが、日経平均が激戦区で選挙人も多く、郵便投票の開票作業が事前に行われているフロリダ州の開票結果などにどのような反応を示すかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)