東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は6日ぶりに反発しました。日経平均は133円高の23,110円と節目の23,000円を回復して寄り付くと上げ幅を広げ11時前に393円高の23,370円まで上昇し326円高で前場を終えました。前引けとほぼ変わらずの329円高の23,306円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに286円高の23,263円までやや上げ幅を縮める場面もありましたが、その後も大きく押すことなく堅調に推移すると結局318円高の23,295円で取引を終えています。一方で新興市場は軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

KDDI(9433)が4.6%高となりました。上期の営業利益が増益を確保したうえに自社株買いを発表したことや、トヨタ(7203)との資本提携強化を発表したこともあって買いを集めました。また、通期の営業利益の見通しを上方修正したワコールホールディングス(3591)や住友重機械工業(6302)、マキタ(6586)、ウシオ電機(6925)、日本通運(9062)なども高く、ワコールホールディングスが11.2%高、住友重機械工業が6.1%高、マキタが8.3%高、ウシオ電機が6.2%高、日本通運が10.3%高となりました。さらに測量機を主力とするトプコン(7732)やペンタブレット大手のワコム(6727)が急伸しました。トプコンは第2四半期3カ月間の営業損益が第1四半期3カ月間の赤字から黒字に転換したことが評価され16.8%高となったほか、ワコムは上期の営業利益が前年同期比で2.9倍に急拡大したことで14.6%上昇しストップ高となりました。一方でヤフーを傘下に持つZホールディングス(4689)が急落し10.6%安となりました。これまで未定としていた通期の業績予想を発表し営業利益が前年同期比5.1%増の1600億円との見通しを公表しましたが、市場予想に届かなかったことで売りがかさみました。サンリオ(8136)も未定としていた2021年3月期の業績予想を発表し通期の営業損益が46億円の赤字となる見通しを公表したことで7.0%安となっています。日本M&Aセンター(2127)も4.3%安となりました。上期累計の営業利益は前年同期比6.4%増となりましたが、第2四半期3カ月間の営業利益が前年同期比で減益に転じたことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は318円高となりました。先週末の米国市場は下落となりましたが、米国市場の下落を先週末の大幅安で既にある程度織り込んでいたことや、先週の5日間で540円近く下げていたこともあって自律反発の買いが優勢となりました。一目均衡表の雲の上限(23,199円)を抜けてきたことで次は25日移動平均線(23,438円)を回復できるかがポイントとなりそうですが、こうしたなかで休場明けの4日は米大統領選の開票結果に注目が集まりそうです。郵便投票が過去最高となっていることもあって選挙結果が直ぐに判明しないとの見方もあり開票状況をみつつ様々な思惑が交錯しやすいとみられますが、ノースカロライナ州やオハイオ州、フロリダ州など郵便投票の開票作業が事前に行われている激戦州での開票結果などを受けて相場が大きく動く可能性もありそうです。なお、決算発表が本格化していますが、本日も引け後にカルビー(2229)やオリックス(8591)、NTTデータ(9613)などが決算を発表します。また、日本時間の3日午前0時に10月の米ISM製造業景況感指数の発表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)