東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日続落となりました。日経平均は113円安の23,372円で寄り付くと9時40分前に151円安の23,334円まで下落しましたが、10時50分前に51円安まで戻すと75円安で前場を終えました。58円安でスタートした後場の日経平均は再び下げ幅を三桁に広げ13時30分過ぎに131円安まで下落しましたが、その後下げ幅を縮めると14時50分前に34円安の23,451円まで持ち直し結局67円安の23,418円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。また、東証1部の売買代金は2兆円割れが続いていましたが、本日は2兆3564億円と13営業日ぶりに2兆円を上回っています。
2.個別銘柄等
シマノ(7309)が急伸し17.0%高となり上場来高値を更新しました。昨日の引け後に発表した第3四半期の決算で新型コロナウイルスの感染拡大をうけて公共交通機関の利用を控える傾向が強まるなか、世界的に自転車の需要が増加し関連部品の引き合いが堅調に推移していることから通期の営業利益の見通しを635億円から770億円に引き上げたことで買いを集めました。
グリー(3632)も急伸し9.1%高となり年初来高値を更新しました。7月に配信したスマホ向けゲームが好調で昨日の引け後に発表した決算で第1四半期の営業利益が前年同期比で35%を超す大幅な増益となったことが好感されました。日本電産(6594)も6.1%高となり上場来高値を更新しました。中国政府が2035年をめどに新車販売のすべてを電気自動車などの環境対応車にする方向で検討すると伝わり電気自動車向けの駆動モーターを手掛ける日本電産に注目が集まりました。
一方で富士通(6702)が5.7%安となりました。昨日の引け後に発表した決算で上期の営業利益が前年同期比で12%を超す減益となり市場予想も下回ったことが嫌気されました。また、山崎製パン(2212)も第3四半期の営業利益が前年同期比で37%減の大幅な減益となったことで8.4%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は67円安となりました。昨日の米国市場で新型コロナウイルスの感染再拡大が重石となりダウ平均が222ドル安と続落となったことから売りが優勢となりました。昨日は下げ幅を大きく縮めたことで25日移動平均線を引けで維持しましたが、本日は下げ渋ったものの25日移動平均線(23,446円)をわずかに割り込んでしまいました。日経平均は昨年末の終値(23,656円)と25日移動平均線の狭いレンジの中での推移が続いてきましたが、25日移動平均線を下回ったことでこのままレンジを下に放れることになるかがポイントとなりそうです。
なお、決算発表が本格化していますが、本日も引け後にコマツ(6301)や日立(6501)、ソニー(6758)、SCREENホールディングス(7735)などが決算を発表するほか、28日の米国でもアムジェン(AMGN)やゼネラル・エレクトリック(GE)、ビザ(V)、ボーイング(BA)、UPS(UPS)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)