東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続落となりました。日経平均は117円安の23,376円で寄り付くと取引開始から5分弱で262円安の23,232円まで下落しましたが、朝方の売りが一巡するなかで下げ幅を縮めると11時10分過ぎに32円安の23,462円まで持ち直し65円安で前場を終えました。94円安の23,399円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに107円安の23,387円まで下落しましたが、その後下げ幅を縮めると結局8円安の23,485円と本日の高値で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。 また、本日も薄商いで東証1部の売買代金は1兆8631億円となっています。

2.個別銘柄等

キヤノン(7751)が8.1%高となりました。昨日の取引終了後に発表した第3四半期の決算で在宅勤務や在宅学習の広がりで家庭用プリンターの販売が計画以上に伸びたことなどから通期の営業利益の見通しを450億円から640億円に上方修正したことで買いを集めました。コクヨ(7984)も8.5%高となりました。同じく昨日の取引終了後に発表した第3四半期の決算で通期の営業利益をオフィス家具・空間設計の部門や事務用品の通販部門で業績が回復したことで95億円から124億円に引き上げたことが好感されました。佐川急便を傘下に持つSGホールディングス(9143)も3.7%高となりました。今期の営業利益が巣ごもり消費の拡大を受け宅配便の取り扱いが増えることで従来予想の870億円を上回り前期比3割増の950億円前後になりそうだと伝わったことが材料視されました。

一方、米国で新型コロナウイルスの感染拡大が過去最多を更新し空運株が売られた流れを引き継ぎ日本市場でも日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が売られました。日本航空が4.3%安、ANAホールディングスが3.2%安となっています。また、ネットワンシステムズ(7518)が16.8%下落しストップ安となりました。外部機関から従業員の資金流用の疑いが指摘され決算への影響調査に時間がかかるため決算発表を延期すると発表したことが嫌気され売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりましたが、昨日の米国市場でダウ平均が650ドル安となったにも関わらず8円安と下げ渋りました。その結果25日移動平均線(23,443円)を引けで上回り、25日移動平均線での底堅さを本日もみせました。そのためここからの切り返しに期待が持てそうですが、仮に米国市場が下げ止まらなかった場合には引き続き25日移動平均線を維持できるかがポイントとなりそうです。なお、決算発表が本格化していますが本日も引け後に信越化学工業(4063)や日立建機(6305)、富士通(6702)、ANAホールディングス(9202)などが決算を発表するほか、27日の米国でもスリーエム(MMM)やファイザー(PFE)、メルク(MRK)、キャタピラー(CAT)、マイクロソフト(MSFT)、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などが決算を発表する予定です。また、9月の米耐久財受注額や10月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数などの発表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)