東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて反発しました。日経平均は84円高の23,558円で寄り付くと取引開始直後に95円高の23,570円まで上昇しましたが、上げ幅を縮めるとマイナスに転じ10時20分過ぎに5円安の23,469円まで下落しました。しかし、下げ渋ると持ち直し49円高の23,523円で取引を終えました。94円高の23,568円でスタートした後場の日経平均はまもなくして113円高の23,587円まで上昇し本日の高値を付けましたが、その後伸び悩むと上げ幅を縮め42円高の23,516円と後場の安値で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。また、本日も商いは低調で東証1部の売買代金は1兆9159億円となっています。
2.個別銘柄等
ネクソン(3659)が一時20.3%上昇しストップ高となる場面がありました。伊藤忠商事(8001)によるTOB(株式公開買い付け)が成立したことを受け11月に上場廃止となるファミリーマート(8028)に替わって日経平均への採用が決まったことで買いを集め年初来高値を更新しました。引けは17.2%高となっています。反対に日経平均への採用が一部で期待されていたZOZO(3092)やカカクコム(2371)が売られ、ZOZOが7.1%安、カカクコムが7.8%安となっています。日立建機(6305)も急落し16.8%安となりました。日立(6501)が上場子会社である日立建機の株式の一部を売却する検討に入ったことが分かったとの報道を受けて売りがかさみました。思惑が広がり日立の上場子会社である日立金属(5486)も6.1%安となっています。
一方で三菱重工業(7011)が6.6%高となりました。国産初の小型ジェット旅客機の事業化を凍結する方向で最終調整に入ったと報じられたことで損失拡大に歯止めがかかるとの見方から買われました。また、米長金利の上昇を受けて生保株が高く第一生命ホールディングス(8750)が4.0%高となり、T&Dホールディングス(8795)も3.3%高となりました。さらに外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたことでブリヂストン(5108)が6.0%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は米国株高を受けて42円高となりました。しかし、節目の23,500円を回復したものの上値は重く前場には日本時間の午前10時から始まった米大統領候補であるトランプ大統領と民主党のバイデン氏による討論会の結果を見極めたいとして様子見となり小幅に下落する場面もありました。日経平均は昨年末の終値(23,656円)を超えてくると上値が重くなる一方で、25日移動平均線(23,431円)では底堅さをみせるなど狭いレンジでの推移が続いていますが、来週から3月決算銘柄の上期決算が本格化するなかでレンジをどちらかに放れるような動きがみられるかがポイントとなりそうです。
なお、本日も引け後に富士通ゼネラル(6755)が決算を発表するほか、23日の米国ではアメリカン・エキスプレス(AXP)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の22時45分には10月の米PMI速報値の発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)