東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安と円高を受けて反落となりました。日経平均は113円安の23,525円で寄り付くと取引開始から5分後に83円安の23,555円まで持ち直す場面もありましたが、上値は重く下げ幅を広げると前引け間際に187円安の23,452円まで下落し前場を184円安で終えました。前引けとほぼ変わらずの183円安でスタートした後場は13時に203円安の23,436円まで下落し本日の安値を付けました。その後23,500円を回復する場面もありましたが、118円安の23,520円で上値が押さえられると23,500円を割り込み結局165円安の23,474円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となりました。なかでも東証マザーズ指数は4.5%安と大きく下げ、東証マザーズ指数先物は後場に売買を一時中断する措置(サーキットブレーカー)が発動されました。また、本日も薄商いで東証1部の売買代金は1兆7740億円となっています。

2.個別銘柄等

ニトリホールディングス(9843)が4.7%安となりました。買収を検討しているとされる島忠(8184)の買収でDCMホールディングス(3050)と買収合戦に発展した場合にTOB(株式公開買い付け)価格が高騰することを警戒した売りが出ました。ANAホールディングス(9202)も4.1%安となりました。傘下の全日本空輸の使用機材を約1割減らす方針を固めたと伝わるなか、減損損失を計上することによる業績の悪化を懸念した売りが出ました。また、日本触媒(4114)と三洋化成工業(4471)が新型コロナウイルスの感染拡大により事業環境の先行きが見通せないことを理由に2021年4月に予定していた経営統合を中止すると発表し売られました。日本触媒が3.5%安、三洋化成工業が7.3%安となっています。さらに東証マザーズ指数が大幅安となるなかメルカリ(4385)やフリー(4478)、ラクス(3923)などのマザーズ市場で時価総額の大きい銘柄が売られました。メルカリが6.6%安、フリーが7.2%安、ラクスが7.3%安となっています。

一方で西松屋チェーン(7545)が3.1%高となりました。気温低下に伴い秋冬物の販売が好調で10月の既存店売上高が前年同月比23.7%増と大きく伸びたことが好感されました。調剤薬局大手のクオールホールディングス(3034)も昼休み時間中に上期の業績予想の上方修正を発表したことで後場に上げ幅を広げ5.2%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は165円安となりました。昨日の米国市場が下落したことに加え、一時104円台半ばまで円高が進んだことで売りが優勢となりました。昨日は節目の23,500円を前に下げ渋りましたが、本日は下げ幅を広げ23,500円を割り込みました。しかし、25日移動平均線(23,429円)は維持しています。25日移動平均線を割り込むことなく底堅さをみせたことでここからの切り返しに期待したいところですが、仮に下げが続いた場合には25日移動平均線を引き続き維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、本日の引け後にはディスコ(6146)が決算を発表するほか、22日の米国ではダウ(DOW)やAT&T(T)、コカ・コーラ(KO)、インテル(INTC)などが決算を発表する予定です。また、米新規失業保険申請件数や9月の米中古住宅販売件数、9月の米景気先行指標総合指数といった経済指標の発表が予定されているほか、米大統領候補の討論会も予定されています。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )