東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて反落となりました。日経平均は83円安の23,587円で寄り付くと9時30分前に3円高の23,674円まで戻しましたが、昨日の終値をわずかに上回ったところで上値が押さえられると下げ幅を広げ11時前に88円安の23,582円まで下落し74円安で前場を終えました。下げ幅を三桁に広げ135円安の23,535円でスタートした後場の日経平均は12時40分に87円安まで持ち直しましたが、再び下げ幅を三桁に広げると14時30分過ぎに152円安の23,518円まで下落し本日の安値を付けました。しかし、その後引けにかけてやや持ち直すと結局104円安の23,567円で取引を終えています。

一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇しています。また、本日も薄商いで東証1部の売買代金は1兆7349億円となっています。

2.個別銘柄等

東海カーボン(5301)が一時3.1%高となりました。7-9月期の営業損益が米国でタイヤの買い替え需要が伸びたことでタイヤ向け部材の販売が回復し2四半期ぶりに黒字転換したと報じられたことが好感されました。やや上げ幅を縮め引けは2.2%高となっています。大東建託(1878)も4.1%高となりました。上期の営業利益の見通しを400億円から515億円に上方修正したことが評価されました。また、東証2部では東芝(6502)も4.1%高となりました。

米インテル(INTC)がNAND型フラッシュメモリー事業を韓国のSKハイニックスに売却する方向と伝わり競争緩和の期待から昨日の米国市場で半導体メモリーを手掛けるマイクロン・テクノロジー(MU)やウエスタンデジタル(WDC)が大きく上昇したことで日本市場でも半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)に出資する東芝が買われました。一方でGunosy(6047)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて急落し11.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は104円安となりました。追加の米経済対策で与野党の交渉は成立しそうにみえないと米紙が報じ経済対策への期待が後退したことで昨日の米国市場が下落したことから売りが優勢となりました。しかし、ダウ平均が410ドル安となった割に日経平均の下げは限定的で節目の23,500円を前に底堅さをみせました。その一方で昨年末の終値(23,656円)を超えてくると引き続き上値が重くなるようで、プラスとなる場面もありましたが買いは続きませんでした。

なお、米国では決算発表が本格化していますが、20日もプロクター・アンド・ギャンブル(PG)やトラベラーズ(TRV)、ネットフリックス(NFLX)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には9月の米住宅着工件数が発表される予定です。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )