東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに反発しました。日経平均は133円高の23,543円で寄り付くと上げ幅を広げ10時40分過ぎに293円高の23,703円まで上昇し261円高で前場を終えました。230円高の23,640円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに296円高の23,707円まで上昇し本日の高値を付けるとその後も高値圏で堅調に推移し結局260円高の23,671円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。また、本日も商いは低調で東証1部の売買代金は1兆6853億円となっています。
2.個別銘柄等
東宝(9602)が一時7.0%高まで上昇し年初来高値を更新しました。劇場版「鬼滅の刃」の上映が16日から始まるなか好調な滑り出しを伝える報道が相次いだこともあって期待が高まりました。島津製作所(7701)も一時4.6%高まで上昇する場面がありました。新型コロナウイルスの感染の有無などを呼気から判定できる技術を開発したと発表したことが評価されました。ソニー(6758)も一時3.0%高となりました。米アップル(AAPL)が2021年にも発売する予定のヘッドマウントディスプレーにソニーのマイクロディスプレイが採用されることが分かったと伝わったことが材料視されました。また、外資系証券が目標株価を引き上げたことで大手海運3社が買われました。日本郵船(9101)が2.3%高、商船三井(9104)が3.3%高、川崎汽船(9107)が4.9%高となっています。
一方で戸田建設(1860)が3.9%安となりました。受注済み工事の引き渡し時期の見直しや追加工事の発注予定の延期などが生じたため完成工事総利益が減少する見通しとなったことで上期の営業利益の見通しを102億円から59億円に下方修正したことが嫌気されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は先週末の米国市場でダウ平均が上昇したことに加えて、ペロシ米下院議長が大統領選より前に追加景気対策法案で合意できるとの望みを失っていないとした上でホワイトハウスとの協議の期限を20日に設定したと伝わったことで合意がまとまるとの期待が高まり260円高となりました。日経平均は昨年末の終値(23,656円)を上回ってくると上値が重くなる展開が続いていましたが、本日は大幅高となったことで昨年末の終値を引けで超えてきました。これで年初来でプラスに転じたことから次は年内に節目の24,000円や1月20日に付けた年初来高値の24,083円を超えることができるかがポイントとなりそうです。
なお、11時に発表となった中国の7-9月のGDPは前年同期比4.9%増となり4-6月期の3.2%増から成長が加速しましたが、市場予想には届きませんでした。また、米国では決算発表がスタートしていますが、19日にはIBM(IBM)やハリバートン(HAL)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)