【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 28,494.20 ▼19.80 (10/15)
NASDAQ: 11,713.87 ▼54.86 (10/15)
1.概況
米国市場は小幅に3日続落となりました。ダウ平均は欧州を中心に新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることを嫌気して190ドル安でスタートすると取引開始直後に332ドル安まで下落しましたが、トランプ米大統領が追加経済対策の増額を示唆したことなどからその後持ち直すと徐々に下げ幅を縮め取引終盤にプラスに転じ21ドル高まで上昇する場面もありました。しかし、引けにかけて再び下落に転じると結局19ドル安の28,494ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も54ポイント安の11,713ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週から5万3000件増の89万8000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。10月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数も10.50と前月から低下し市場予想を下回りました。一方で10月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は32.3と前月から大幅に上昇し市場予想も上回りました。9月の米輸出物価指数も前月比0.6%上昇し市場予想を上回っています。米輸入物価指数は前月比0.3%上昇し市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや金融、不動産などの6業種が上げ、エネルギーが1%以上上昇しました。一方でヘルスケアやコミュニケーション・サービス、情報技術などの5業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が決算が市場予想を上回ったうえ、収益改善の見通しを示したことで5%近く上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)も目標株価の引き上げが相次いだことで5%以上上げています。
一方でユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が決算で最終赤字が大幅に拡大したことで4%近く下落しています。コンテンツ配信ネットワークのファストリー(FSLY)も急落し27%以上下げました。最大の顧客である中国の動画投稿アプリTikTokからの売り上げが急減したことで7-9月期の売上高見通しを引き下げたうえ、2020年12月期の見通しを取り下げたことが嫌気されました。保険のレモネード(LMND)も株価が高すぎるとの指摘を受けて8%以上下落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い0.73%となりました。ドル円は105円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が小幅な下げに止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の23,500円を本日も維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)