東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて3日ぶりに反落となりました。日経平均は78円安の23,548円で寄り付くと10時20分に45円安の23,581円まで戻しましたが、下げ幅を広げると前引け間際に112円安の23,514円まで下落し109円安で前場を終えました。146円安の23,480円と節目の23,500円を割り込んでスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に168円安の23,458円まで下落しましたが、その後持ち直すと引けにかけて23,500円を回復し結局119円安の23,507円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。また、本日も薄商いで東証1部の売買代金は1兆8126億円となっています。

2.個別銘柄等

赤字決算を発表したリンガーハット(8200)やサイゼリヤ(7581)が大きく下げました。リンガーハットは2020年2月期の上期の営業損益が36億円近い赤字となり、通期も56億円の赤字となる見通しを発表したことで6.5%安となり、サイゼリヤも2020年8月期の38億円を超す営業赤字に続いて、2021年8月期も10億円の営業赤字となる見通しを発表したことで6.7%安となりました。さらに大幅な減益決算を発表したエービーシー・マート(2670)やコメダホールディングス(3543)も大きく下げました。エービーシー・マートは2020年2月期の上期の営業利益が前年同期比で6割を上回る減益となり3.6%安となったほか、コメダホールディングスも上期の営業利益が4割に近い減益となったことで4.4%安となりました。また、西武ホールディングス(9024)が主力の取引銀行から合わせて800億円の出資を受け入れる方向で最終的な調整を進めていると伝わったことで後場に入って大きく下げ一時6.8%安まで下落しました。引けは2.2%安となっています。

一方でANAホールディングス(9202)が一時3.0%高まで上昇する場面がありました。昨日は米国市場で空運株が大きく下げた流れを引き継ぎ大幅安となりましたが、本日は政府系の日本政策投資銀行やメガバンクなど計5行から合計4000億円の追加融資を受ける方針を固めたと伝わったことで資金繰りへの不安が後退し買いが先行しました。しかし、買いが続かず後場に入って下落に転じると引けは0.5%安となり続落となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は119円安となりました。昨日の米国市場が追加の経済対策の早期成立が困難との見方が強まり続落となったことから売りが優勢となりました。節目の23,500円を割り込む場面もありましたが、引けでは何とか上回り本日も23,500円近辺での底堅さをみせました。引き続き下げる場面では23,500円を維持できるかが、そして反対に上昇する場面では昨年末の終値(23,656円)を超えられるかがポイントとなりそうです。

なお、2月決算企業や8月決算企業の決算発表が本格化していますが本日も引け後にファーストリテイリング(9983)や松屋(8237)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や10月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数、米フィラデルフィア連銀製造業景況指数などの発表が予定されています。さらに今晩の米国ではモルガン・スタンレー(MS)が決算発表を予定しています。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )