東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇しました。日経平均は107円高の23,420円で寄り付くと取引開始から40分弱で19円高の23,331円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく下げ渋ると持ち直し113円高の23,425円で前場を終えました。104円高でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に129円高の23,441円まで上昇し本日の高値を付けた後13時に89円高まで上げ幅を縮めましたが、その後戻すと結局121円高の23,433円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は昨日に続いて年初来高値を更新しています。

2.個別銘柄等

日野自動車(7205)が6.2%高となりました。トヨタ(7203)と北米市場向けに水素燃料電池で走行する大型トラックを共同開発すると発表したことが評価されました。ワタミ(7522)も一時9.5%高となりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で居酒屋の苦戦が続くなか全店の3割に当たる約120店を焼肉店に転換すると発表したことが好感されました。上げ幅を縮め引けは2.3%高となっています。ウェザーニューズ(4825)も2.9%高となりました。下落して始まりましたが昨日の取引終了後に発表した決算で第1四半期の営業利益が34%近い増益となったことで直ぐにプラスに転じると上げ幅を広げました。また、米長期金利の上昇を受けて生保株が堅調で、第一生命ホールディングス(8750)が2.4%高、T&Dホールディングス(8795)が2.7%高となっています。

一方でHIS(9603)が一時3.5%安まで下落しました。昨日は第三者割当増資や新株予約権の発行で220億円超を調達すると発表したことで5%以上下げる場面がありましたが、本日は国内大手証券が投資判断と目標株価を引き下げたことで続落となりました。下げ幅を縮め引けは1.8%安となっています。ジャスダック市場では100円ショップのセリア(2782)も3.6%安となりました。9月の既存店売上高が前年同月比2.3%減と5カ月ぶりに前年割れとなったことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は121円高となりました。昨日の米国市場が新型コロナウイルスに感染して入院中だったトランプ米大統領が退院することをツイッターで明らかにしたことで大きく反発したことで堅調な一日となりました。しかし、23,400円台で上値が伸び悩み、節目の23,500円を試すだけの勢いはありませんでした。23,500円が意識され上値が重くなったということなのでしょう。なお、今晩は日本時間の23時40分にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が予定されています。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )