トランプ大統領がコロナウイルスに感染したことで市場はリスクオフとなった。それは当然の反応だろう。様々な状況が一段と混とんとしてきた。市場は不確実性をリスクととらえるので不確実性の高まりを受けた当然のリスクオフだ。投開票まで残り1カ月を切った大統領選の行方にどう影響するか。今後の選挙運動やテレビ討論会はどうなるか。そんななか今週は米国時間の7日に予定されている、共和党現職のペンス副大統領と、民主党副大統領候補のハリス上院議員のテレビ討論会が注目される。
しかし事態は不透明なだけで、必ずしも悪化しているわけではない。例えば米与野党の合意が遅れている追加景気対策だ。ペロシ米下院議長は追加対策について、トランプ大統領のコロナウイルス感染が確認されたことで議論の方向が変わる可能性があるとし、ホワイトハウスとの交渉を楽観視していると表明した。ペロシ議長はTV番組でトランプ大統領の感染について、「こうしたことが多少力学を変える」と述べた。
雇用統計もそうだ。予想を下回る弱い伸びとなったことで、コロナは収束にはほど遠く追加景気対策の必要性をより明らかにした。悪いニュースはその後の良いニュースにつながる可能性がある。
国内では6-8月期の企業決算に注目が集まる。6日にはイオンモール(8905)、7日には壱番屋(7630)、8日にはローソン(2651)、7&iホールディングス(3382)、良品計画(7453)などが決算を発表する。前四半期が業績のボトムと見られ、そこからの回復を決算の数字で確認できれば市場の好材料となるだろう。
海外指標では、5日に9月の米ISM非製造業総合景況指数が発表される。9月の市場予想は56.3と8月に続き、さらに回復のペースが落ちているとみられるが予想の範囲内であれば市場の反応は限定的だろう。
今週の予想レンジは2万2800円~2万3500円。2万3000円を割る水準では押し目買いが入るものと思われる。