東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は27円高となりました。日経平均は配当落ちの影響もあって101円安の23,410円で寄り付くと取引開始から20分余りで163円安の23,347円まで下落しましたが、持ち直すと77円安の23,433円で前場を終えました。61円安でスタートした後場はさらに下げ幅を縮めると13時過ぎにプラスに転じ上げ幅を三桁に広げ14時過ぎに111円高の23,622円まで上昇しましたが、その後上げ幅を縮めると14時40分過ぎに下落に転じました。しかし、23,500円をわずかに割り込んだところで下げ渋ると直ぐにプラスとなり結局、日経平均は27円高の23,539円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に下げています。また、新興市場は高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は3%以上上げ年初来高値を更新しています。
2.個別銘柄等
NTTドコモ(9437)が15.8%上昇しストップ高となりました。携帯電話料金の値下げに備えNTT(9432)がTOB(株式公開買い付け)で完全子会社化すると伝わったことで買いを集めました。一方で財務負担を懸念した売りでNTTは2.9%安となっています。また、携帯電話料金の値下げ圧力が強まるとの懸念からKDDI(9433)とソフトバンク(9434)も大きく下げました。KDDIが4.1%安となり年初来安値を付けたほか、ソフトバンクも4.1%安となり上場来安値を更新しています。昨日の取引終了後に上期決算を発表したあさひ(3333)も一時6.8%安となりました。上期の営業利益が前年同期比で6割増となり通期の見通しも上方修正しましたが、一旦材料出尽くしとなり売りに押されました。持ち直し引けは0.7%安に止まっています。同じく昨日の引け後に上期決算を発表したしまむら(8227)は反対に大きく上げました。通期の営業利益を市場予想を大幅に上回る水準に上方修正したことで8.6%高となりました。
そのほか材料が出たところでは業務スーパーを展開する神戸物産(3038)が8月の全社売上高が前年同月比12.1%増となったことで3.9%高となりました。しかし、クスリのアオキホールディングス(3549)は9月の既存店売上高が前年同月比で7.4%減と前月に続いて前年割れとなったことから3.1%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は27円高と小幅に上昇しました。しかし、本日は配当落ちが140円余りあるためその影響を考慮すると実質的には170円程度の上昇だったとみることができます。配当落ちを一日で埋め切り節目の23,500円を維持したことから今後の展開に期待が膨らみますが、配当狙いの買いや配当の再投資による先物への買いがなくなるなかで明日以降も23,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。なお、2月決算銘柄の上期決算発表が本格化していますが本日も引け後にはDCMホールディングス(3050)やスギホールディングス(7649)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には9月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表されるほか、今晩の米国では半導体大手の米マイクロン・テクノロジー(MU)の決算発表も予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)