東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇しました。日経平均は129円高の23,217円で寄り付くとまもなくして82円高の23,169円までやや弱含みましたが、持ち直すと10時15分過ぎから一段高となり10時30分前には184円高の23,272円まで上昇ました。やや上げ幅を縮め133円高で前場を終えた日経平均は142円高の23,230円で後場をスタートさせると後場寄り直後に151円高の23,239円まで上昇しましたが、13時前には66円高の23,154円まで上げ幅を縮めました。その後やや戻した日経平均は結局116円高の23,204円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
日本ガイシ(5333)が8.9%高となりました。セラミックス事業で中国市場をはじめとして自動車販売や生産が回復しつつあることや、コロナ禍におけるデジタル化の進展によって電子部品の需要も増加していることなどから通期の営業利益を300億円から330億円に上方修正したことが好感されました。佐川急便を傘下に持つSGホールディングス(9143)も14.7%上昇しストップ高となりました。昨日は日立物流(9086)との資本・業務提携を解消する方針を固めたと伝わったことで3%以上下落する場面もありましたが、提携見直しにより通期の純利益を上方修正したことや、期末配当を増額修正したこと、さらに株式分割を発表したことなどで買いを集めました。また、株式分割を発表した業務スーパーを展開する神戸物産(3038)も6.7%高となっています。
一方で日本オラクル(4716)が9.2%安となりました。10日に発表された米オラクル(ORCL)の決算が市場予想を上回る決算だったことで日本オラクルへの期待も高まるなか、昨日の取引終了後に発表した決算で第1四半期の営業利益が前年同期比2%増と小幅な増益に止まったことで失望売りが出ました。西武ホールディングス(9024)も10.6%安となりました。これまで未定としていた業績予想を発表し通期の営業損益の見通しを560億円の赤字としたことが嫌気されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は116円高となりました。主力ハイテク株の一角に買いが入り昨日の米国市場が反発となったことから一日を通してプラス圏での推移となりましたが、そうしたなかで日経平均は25日移動平均線(23,220円)を挟んで上下する展開となりました。25日移動平均線を下回ってスタートすると上げ幅を広げ25日移動平均線を上回りましたが、後場に入って再び25日移動平均線を割り込みました。その後25日移動平均線近くまで戻しましたものの結局はわずかに下回って取引を終えました。昨日の米国市場が小幅な上昇に止まったこともあって強気になり切れなかったということなのかもしれません。来週は月末月初の週で重要イベントが目白押しですが、29日に配当落ちもあるなかで日経平均が25日移動平均線を回復できるかがポイントとなりそうです。なお、週明け28日は9月末決算銘柄の権利付き最終売買日です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)