東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は上昇しました。日経平均は24円高の23,431円で寄り付くと上げ幅を広げまもなくして節目の23,500円を上回り11時20分過ぎに175円高の23,582円まで上昇し前場を173円高で終えました。165円高でスタートした後場の日経平均は14時30分過ぎに123円高の23,529円まで上げ幅を縮める場面もありましたが23,500円台で推移すると結局152円高の23,559円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が傘下の英半導体設計大手のアームを米半導体大手のエヌビディア(NVDA)に売却し、その売却額が最大で400億ドル(約4.2兆円)になると発表したことや、幹部が非公開化に向けた協議を再開したと伝わったことで9.0%高となり、日経平均を1銘柄で113円押し上げました。家庭向けの美顔器や健康器具を手掛けるヤーマン(6630)も急伸し13.7%高となり年初来高値を更新しました。先週末の取引終了後に発表した決算で第1四半期の営業利益が前年同期比で2.2倍と大きく伸びたことが好感されました。ICリードフレーム大手の三井ハイテック(6966)も11.0%高と急伸しこちらも年初来高値を更新しました。パソコンなど情報通信機器向け半導体や5G対応機器向けの半導体の需要が拡大したことなどで上期の営業損益が黒字に転換したことで買いを集めました。

一方で菅官房長官がテレビ番組で電波利用料の引き上げに言及したことからNTTドコモ(9437)やKDDI(9433)、ソフトバンク(9434)が売られました。NTTドコモが2.7%安となったほか、KDDIが3.0%安、ソフトバンクが5.0%安となっています。また、先週に上昇が目立った大手海運株が利益確定の売りで大きく下げました。日本郵船(9101)が3.6%安、商船三井(9104)が5.8%安、川崎汽船(9107)が7.7%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は152円高となりました。先週末の米国市場が高安まちまちとなったことから24円高と小動きでのスタートとなりましたが、ソフトバンクグループが大幅高となったことで上げ幅を広げました。米国市場では前週末も売りが続いた主力ハイテク株の動向が注目されますが、売りが止まらない場合でも日経平均が引き続き堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、今週は重要イベントが目白押しです。米連邦公開市場委員会(FOMC)に続いて日本では日銀の金融政策決定会合が行われるほか、16日の米小売売上高など経済指標も数多く発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)