東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株安を受けて下落となりました。日経平均は307円安の22,966円と節目の23,000円を割り込んで寄り付くと下げ幅を広げ10時30分過ぎに395円安の22,878円まで下落し前場を365円安で終えました。339円安の22,935円でスタートした後場の日経平均は13時10分頃から下げ幅を縮め14時50分に215円安の23,059円まで戻すと結局241円安の23,032円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が一時7.1%安まで下落する場面がありました。6月末時点でアマゾン・ドット・コム(AMZN)やグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)などの米ハイテク株を数多く保有していることを開示しているうえ、米ハイテク株のデリバティブで大規模な取引をしているとも伝わるなか米国市場でハイテク株の下落が続いていることから売りを誘いました。引けは2.9%安となっています。JCRファーマ(4552)も4.7%安となりました。JCRファーマが原液の生産を担う英製薬大手のアストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発する新型コロナウイルスのワクチンで安全性への懸念が出て最終段階の治験が一時中断されていると伝わったことが嫌気されました。また、原油価格の下落を受けて国際石油開発帝石(1605)が3.1%安となっています。

方でヒノキヤグループ(1413)が9.5%高となりました。ヤマダ電機(9831)がヒノキヤグループに対して1株2,000円でTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことでTOB価格にさや寄せする格好で上昇しました。大戸屋ホールディングス(2705)へのTOBが成立したと発表したコロワイド(7616)も一時8.4%高まで買われました。引けは2.9%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は昨日の米国市場で主力ハイテク株への売りが続きダウ平均が630ドルを超える下げとなったうえ、ナスダック総合株価指数も4%を超える下落となったことから241円安となりました。しかし、1%余りの下げとなったものの節目の23,000円を引けで維持したことで下げ渋ったともいえそうです。ナスダック総合株価指数は昨日の下げで9月2日に付けた史上最高値からの下落率が調整局面入りの目安とされる10%に達しています。また、サポートとなってきた25日移動平均線も明確に割り込んでしまいました。

こうしたなかで米国市場では主力ハイテク株への売りが止まるかが焦点となりますが、日本市場では日経平均が引き続き23,000円近辺で底堅さを維持できるかが引き続きポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )