東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株安を受けて下落しました。日経平均は59円安の23,145円で寄り付くと取引開始から15分で118円安の23,086円まで下落しましたが、持ち直し9時40分過ぎにプラスになるとしばらく先週末の終値近辺を挟んで小幅に揉み合う展開となりました。しかし、上値は重く再び売りが優勢となり前場を78円安の23,126円で終えました。やや戻し42円安でスタートした後場の日経平均ですが、下げ幅を広げ14時40分前に118円安の23,087円まで下落すると結局115円安の23,089円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。また、東証1部の売買代金は1兆9245億円と本日も2兆円を下回りました。
2.個別銘柄等
青森銀行(8342)とみちのく銀行(8350)が大幅高となりました。青森県を地盤とする青森銀行とみちのく銀行で経営統合に向けた案が浮上しているとの報道を受けて買いを集め青森銀行が8.5%高、みちのく銀行が8.9%高となりました。
ファナック(6954)も6.8%高となりました。生産ラインで人間のそばで作業できる協働ロボットの需要が高まっていることから2021年中に協働ロボットの生産を3倍にすると伝わったことや、国内大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことから買われました。システム開発のNTTデータ(9613)やアイネス(9742)も大きく上げました。菅官房長官がインタビューで新型コロナウイルスへの対応で遅れが明らかになったデジタル行政を加速するためデジタル庁の創設を検討すると明言したことでNTTデータが3.4%高、アイネスが7.0%高となりました。
一方でソフトバンクグループ(9984)が米ハイテク株のデリバティブで数千億円規模の取引をしていることが分かったと伝わるなか米国市場でハイテク株の下落が続いていることから7.2%安となりました。また、先週末の米国市場で主な半導体関連株で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)指数が1%近く下げたことで半導体製造装置関連株も安く東京エレクトロン(8035)が3.7%安、SCREENホールディングス(7735)が5.0%安、ディスコ(6146)が3.9%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は115円安となりました。先週末の米国市場でハイテク株への売りが続きダウ平均が160ドル近く下げたうえ、ナスダック総合株価指数も1%を超える下落となったことから日本市場も売りが優勢となりました。しかし、先週末同様に節目の23,000円を割ることもなく米国市場に比べると下げ幅も限定的でした。明日は今晩の米国市場がレーバーデーの祝日で休場となることから材料不足で様子見になりやすいといえます。こうしたなかで引き続き底堅さを維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)