東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇しました。日経平均は142円高の23,022円と節目の23,000円を上回って寄り付くと取引開始から30分足らずで254円高の23,135円まで上昇し高値を付けましたが、上げ幅を縮め10時20分過ぎに23,000円を割り込むと10時50分前には53円高の22,934円まで弱含み73円高の22,953円で前場を終えました。持ち直し140円高の23,020円と23,000円を上回ってスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に156円高まで上昇しましたが、上げ幅を縮め12時40分過ぎに23,000円を再び割り込むと14時30分頃からさらに弱含み結局39円高の22,920円と本日の安値で取引を終えました。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。また、本日も商いは低調で東証1部の売買代金は1兆6777億円と2兆円を下回りました。

2.個別銘柄等

西松屋チェーン(7545)が4.3%高となり年初来高値を更新しました。来店客数が伸びたことで販売が好調に推移したうえ、夏物衣料の正価での販売が進んだことなどから通期の営業利益の見通しを67億円から85億円に上方修正したことで買いを集めました。アンリツ(6754)も4.2%高となりました。米通信計測機器大手のキーサイト・テクノロジーズ(KEYS)が昨日の米国市場の取引終了後に発表した決算が市場予想を上回ったことから時間外で大幅高となったことで同業のアンリツにも連想買いが入りました。また、東京製鉄(5423)が大規模な景気刺激策により公共工事などが活発化している中国に10年ぶりに鋼材の輸出を再開したと報じられたことで3.6%高となりました。

一方でグリー(3632)が急落し10.5%安となりました。昨日の取引終了後に発表した2020年6月期の決算でブラウザゲームの売り上げが落ち込んだことや、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に飲食店からの広告収入が減ったことなどから営業利益が前期比で4割を超す大幅な減益となったことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は昨日の米国市場で主力ハイテク株が買われナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことなどから39円高となりました。12日と13日に開けた窓(22,874円-23,111円)を埋めた翌日に反発となったことで調整一巡を期待したいところですが、朝方の買い一巡後に上げ幅を大きく縮め節目の23,000円を引けで上回れず小幅高に止まり安値引けとなったことで上値の重さが意識されそうです。こうしたなかで来週は早々に23,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の22時45分には8月の米PMI速報値が、そして23時には7月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)