東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は上昇しました。日経平均は53円安の22,997円と節目の23,000円を割り込んで寄り付くと取引開始直後に97円安の22,953円まで下落しましたが、持ち直し10時頃から買いが優勢になると10時40分前には65円高の23,116円まで上昇し、前場を50円高で終えました。64円高でスタートした後場の日経平均はまもなくして98円高の23,149円まで上昇し本日の高値を付けた後13時20分過ぎに38円高まで上げ幅を縮めましたが、その後やや戻すと結局59円高の23,110円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。また、本日も商いは低調で東証1部の売買代金は1兆6966億円と2兆円を下回りました。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が3.3%高となりました。昨日の米国市場で主力ハイテク株が買われナスダック総合株価指数が史上最高値を更新するなか6月末時点でアマゾン・ドット・コム(AMZN)やグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)などの米IT企業の株式を多数保有していることが分かり買われました。
また、ユーグレナ(2931)が急伸し12.0%高となりました。3社で共同開発中の新型コロナウイルスの抗体検査系において陽性か陰性の判定だけではなく、抗体濃度を推定することが可能になる標準抗体の制作に成功したと発表したことで、信頼性の高い抗体検査が今後可能になるとの期待から買いを集めました。さらにジャスダック市場ではデリバリー大手の出前館(2484)が競合のウーバーイーツの買収を検討していると伝わったことで急伸し8.2%高となっています。
一方で事業改革の提案を繰り返してきた投資ファンドのサード・ポイントが保有していた株を4-6月期中に大量に売却したことが明らかになったソニー(6758)が改革に対する圧力が後退するという見方から2.8%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は昨日の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が揃って史上最高値を更新したこともあり59円高となりました。105円10銭程度まで円高が進んだこともあり下落して始まり日経平均は節目の23,000円を朝方に割り込みましたが、持ち直したことで引けでは23,000円を上回りました。昨日も同様の展開がみられ日経平均は連日で23,000円近辺での底堅さをみせています。こうしたなかで日経平均がこのまま23,000円近辺で下値を固めることができるかが引き続きポイントとなりそうです。
なお、日本時間の明日3時に7月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されるほか、今晩の米国では画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が決算を発表する予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)