東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は3日続落となりました。日経平均は15円高の22,433円と小幅に上昇して寄り付きましたが、直ぐに下落に転じ下げ幅を三桁に広げ前引け間際に145円安の22,272円まで売られると前場を144円安で終えました。

香港のハンセン指数の大幅安を受けて一段安となった後場は169円安の22,248円でスタートすると12時40分過ぎに213円安の22,204円まで下落し本日の安値を付けました。その後引け間際に86円安の22,331円まで持ち直した日経平均は結局88円安の22,329円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が反発した一方で、日経ジャスダック平均は続落となっています。

2.個別銘柄等

任天堂(7974)が一時4.6%高まで上昇しました。世界で外出を避ける動きが広がるなか「あつまれ どうぶつの森」の販売本数が1063万本を記録し、ニンテンドースイッチの販売台数も568万台と2.7倍に拡大したことで昨日の取引終了後に発表した2021年3月期の第1四半期の営業利益が前年同期の5.3倍の1447億円となり、第1四半期として過去最高となったことで買いを集めました。引けは2.6%高となっています。

また、スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)が一時16%以上上昇しストップ高となる場面がありました。家庭用ゲームの販売が国内や欧米で好調だったことで第1四半期の営業利益が前年同期の3.4倍となったことで買われました。引けは12.4%高となっています。

マザーズ市場では2020年6月期の決算を発表したメルカリ(4385)が急伸し10.9%高となりました。新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が広がり個人間での電子商取引の利用が急増したことで4-6月期3カ月間の営業利益が四半期ベースで上場後初めて黒字となったことが好感されました。

一方で2021年3月期の営業損益が50億円の赤字となる見通しを発表した三菱マテリアル(5711)が11.4%安となったほか、第1四半期の営業損益が12億円の赤字となった古河電気工業(5801)も9.8%安となりました。資生堂(4911)も2020年12月期上期の営業損益が34億円の赤字となったことで8.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は3日続落となりました。昨日の米国市場はナスダック総合株価指数が史上最高値を更新するなど続伸となりましたが、日本市場は米雇用統計の発表や3連休を控え様子見となり売りが優勢になると、トランプ米大統領が中国の動画投稿アプリ「TikTok」と対話アプリ「ウィーチャット」に関わる取引を45日後に禁じる大統領令に署名したことを受けて香港のハンセン指数が大幅安となったことから下げ幅を広げる場面もありました。

こうしたなか今晩は日本時間の21時30分に7月の米雇用統計が発表となります。非農業部門雇用者数は150万人の増加が、そして失業率は前月から0.6ポイント改善の10.5%が見込まれていますが、5日に発表となった米ADP全米雇用リポートで民間部門の雇用者数が16万7000人増に止まり市場予想を大幅に下回ったこともあって結果が注目されます。また、本日も引け後には住友金属鉱山(5713)や日本郵政3社、三菱地所(8802)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)