前回コメントでは「7月27日安値(E計算値に見合う)で止まったかどうか、続落ならば上記計算値で止まれるかどうか、ということになります。8月6日、8月19日まではまだ時間があるだけにここで反発無ければ104円台計算値で踏みとどまることが難しくなるとは思いますが続落では特に上記計算値には注目してください。」と述べました。

【図表1】
出所:筆者作成(2020年8月4日)

実際の変動は7月27日安値105.114円から反発できぬまま下げ、7月31日104.187円まで下げる結果となりました。

8月3日106.468円まで戻す結果となっています。しかし7月31日安値は6月5日N値に見合う水準であり、N値達成後の反動としては決して大きいものとは言えません。

N計算値達成は第一波動と第三波動の値幅が同じであるということですが第二波動が中心になっているということでもあります。

この場合5月6日安値から6月5日高値までが中心となります。ここまでの戻りは5月6日安値を戻したにすぎません。

また割り込んだE値105.115円を中心とすれば105.115×2-104.187=106.043を現時点で終わりが上抜いていないことも、戻りが決して大きくないことを示唆しています。

何とかN値で踏みとどまった形ではありますが次の2点でやはり下げの勢いが強いとみなさざるを得ません。

1:3月24日起点の三波動、7月1日起点の三波動ではそれぞれ8月19日、8月6日まで下げ時間が残る状態で計算値を達成してしまっていること。

2:更に7月31日安値104.187円は2019年8月26日安値104.436円に見合うものであるが、ここまで243日間であり、2019年6月25日安値106.778円から2020年6月23日安値106.072円まで257日間であったより早く同水準をつけに来てしまっていること。

基本数値一環226日を超えた日数では247日前後、257日前後の時間経過は極めて大事でありまして、上昇、下落、あるいはモミアイの一つの限界を示唆する日数としてこれまで何度か述べています。

7月31日安値は2019年8月安値から243日と基本数値242日の1日違いではあるもののこの後迎える下げ三波動構成変化日8月6日、19日がそれぞれ2019年8月安値から247日目、256日目であることはここでは非常に大事と言えます。

戻りが弱く、変化日が高値決まりを見せてしまうようでは今度104円台を中心としかねないということであります。

目先は日足均衡表も受動的に変化してきますのでこの点も押さえておきましょう。

【図表2】米ドル/円 日足均衡表
出所:筆者作成(2020年8月4日)

日足基準線は8月5日まで106.174円で動かぬものの変化日と置く8月6日は105.988円まで下げてきます。以降8月11日まで動かぬものの7月20日高値を越えられぬようなら11日以降また下げ始めます。

転換線は8月5日105.535円、8月6日105.32円7と受動的に下げその後8月12日までは動かぬことが想定されます。

このまま8月4日高値を上抜けず、8月6日以降の転換線割れでは8月19日もしくは計算値までの下落を考慮せざるを得なくなります。

逆に上げるケースではこれまで重視してきた106.700円水準を超えられるかどうかが極めて大事となります。

月足均衡表をご確認ください。

【図表3】米ドル/円 月足均衡表
出所:筆者作成(2020年8月4日)

月足では2019年6月に先行スパン下限を割り込みました。

それにもかかわらず売りさえすればよい状況にならないのは受動的に動かなかった月足基準線、転換線がモミアイの相場水準を示唆してきたからでもあります。(3月大きく下げたことで2線も下げはしましたが3月以降横ばいで動いていません)

ここまで2019年7月を除いては4本値のうち必ず均衡表に接していることがわかります。2020年8月にローソク足が106.700円を超えられぬようなら均衡表に接することなく終わってしまうということが判るでしょう。8月月足が陽線か否か、また均衡表に接することが出来るかどうかはやはり非常に大事です。

陰線かつ均衡表に接することが出来ぬようなら長期的には下げ三波動重視とせざるを得ないでしょう。

さて8月6日以降の上昇、106.700円超ではひとまず7月31日安値の底値としての可能性を考えてよいことになりますが、安値から9日目、8月12日までの上昇力がどうかで意味するところは変化してきます。

(1)2019年5月31日実線と交わる遅行スパン108.483円
(2)2019年1月3日終値107.657円
(3)2019年6月25日安値106.778円

この3つの水準は引き続き大事となりまして均衡表以外の戻りのめどとして意識してください。


※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。