前回コメントでは米ドル/円相場の長期変遷を再確認しました。
また重要変化日を7月23日と置き、「7月23日以降の下落で106.7円水準を割り込んでくるようでは下げが明確化してしまう」と述べました。

実際の変動は7月23日までほとんど動かなかったものの、7月23日からの反発を見せず大きく下げる結果となりました。
7月23日は次の時間関係によります。

【図表1】
出所:筆者作成(2020年7月21日)

2018年10月高値までを第二波動とする下げ三波動の最大時間を経過して下げてきたことになります。

【図表2】
出所:筆者作成(2020年7月28日)

直近変動では6月23日、7月15日が2020年2月20日までを第二波動とする下げ三波動構成変化日の安値決まりを見せていましたが、これら安値を割ってきたことで、きわめて多くの下げ時間を要する可能性が出てきたということになります。

最も近いものでも2020年2月高値から181日目10月29日となりますが、もちろん現時点でこの変化日までの下落を想定するものではありません。

ただし日足、週足、月足で下支えを期待しうる線は月足遅行スパンに対する先行スパン下限のみになってしまっている以上、また7月23日を経過した以上は、2020年2月高値までを第二波動とする下げ三波動か3月高値以降の高値からの下げ三波動構成かのいずれかしかないわけです。(2月高値から3月高値までを二波動とする時間はすでに経過)

ここまでの下落をご確認ください。

【図表3】
出所:筆者作成(2020年7月28日)

3月高値起点、6月高値までを第二波動とする下げ三波動構成変化日は8月19日が残っています。

E100.263、V102.13、N104.121のいずれにも達していませんが、E値を出してしまうようなら3月9日安値割れとなり、2月高値までを第二波動とする下げ三波動をより強調してくることは念頭に置いておいたほうが良いでしょう。

8月19日までにN値を割ってしまうようなら、8月19日以降の下げ継続の可能性も高くなります。

6月高値起点の三波動構成では19日、19日の時間関係が7月27日に経過してきました。
E102.298、V103.983、N104.387のいずれも達していませんから仮に7月27日からの反発があればこの三波動において下げの勢いが強調されているとは見なせません。

問題は7月1日からの小さな下げ三波動となります。

8日下落、7日の戻りを経て7月27日まで7日の下落。下げ三波動変化日は7月28日、最大で8月6日となりますが既にE値105.115をわずかながら割り込んでしまっていることが判るでしょう。

7月10日安値位置は重視してきた2019年6月安値水準、均衡表106.700水準であるだけに直ちに106.7円を戻せぬようなら下げ三波動変化日、計算値までの下落の可能性のほうが高いと言えるでしょう。

何れにせよ7月24日の安値割れでは下げ三波動構成変化日もしくは計算値までの下落を軸にせざるを得ません。

E値105.115は一応計算値とみなせるものの、直ちに106.7円を戻せぬようなら目先の下げを優先せざるを得ないでしょう。

現時点で優先すべきは7月27日安値で止まったかどうか、続落ならば上記計算値で止まれるかどうか、ということになります。

8月6日、8月19日までまだ時間があるだけに、ここで反発がなければ104円台計算値で踏みとどまることが難しくなるとは思います。しかし続落の場合は特に上記計算値に注目してください。

とは言うものの、週足基準線、月足転換線、基準線は3月安値を割り込まない限り動かないということもここでは大事であります。大事な時間経過はあったものの、尚106.7円水準が機能し続ける可能性をはらむということは計算値からの反動高の可能性をはらんでいるということでもあります。

2019年1月3日、2020年3月の下落がそうであったように、現時点ではそのような戻りも考慮しておく必要があります。

※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。