8月25日付、9月1日付の記事では「9月4日、7日からの騰落が大事」と述べていました。
9月変動に関しては大きく次の2つの観点から変化日を出しています。
(1)三波動構成変化日
(2)2月高値、3月安値を中心とする対等数値
9月4日、7日は大きな動きはなかったものの、9月7日には均衡表上に次の変化がなされています。
(1)一旦好転した遅行スパンが再び相場実線に触れ、その反応が試される局面であったこと
(2)基準線の受動的な上昇により転換線を僅かながら上回ったこと
一般的に転換線が基準線を割り込むことを均衡表悪化としますが、ここでの状態は悪化ではありません。
基準線自体が上昇し、転換線は動いていないためですが、9月9日以降、転換線は受動的に上昇を始めます。
9月9日は下げ三波動構成の変化日でもありますので、9月9日以降、転換線の上昇に沿っての上昇であれば、目先の上げ三波動を重視することになります。
この場合7月31日起点、8月19日起点の上げ三波動の時間はすでに経過していますから、8月28日起点の小さな上げ三波動に限定せざるを得ません。
日足先行スパン上限がせいぜいで、上昇相場の出発は考えにくいということなります。
現在位置から転換線、基準線を割り込むようなら、下げ三波動構成の変化日までの下落は常に考慮しなければならない状況は続きますが、直近変動で小幅5陽連以上を出していることは注目ポイントとなります。
5陽連、5陰連はその後の方向を示唆する場合が多く、特に小幅で出現するケースではその後の騰落に乗じやすい傾向があります。
8月13日までで5陽連、直近変動で6陽連を出したことは一応7月31日の当面の底堅さを示唆するものではあります。
目先変化日としては9月9日、15日を重視、9日から上昇できぬようでは15日からの下落では下げ幅が出る可能性があります。
均衡表の基本事項
さて基本事項となります。
一般的に一目均衡表は時間論、値幅観測論、波動論で成り立つと言われますが、私自身はこのような説明のなされ方が良いとは思っていません。
結局は波動論以外の何物でもないからですが、均衡表は波動論と直接的に関わっています。
均衡表の波動論は三波動を定型とします。
この場合、単なる波形ではなく、ある時間関係、値段関係を伴う三波動を定型とするのです。
時間関係 ABの時間=BDの時間
ABの時間=CDの時間
ACの時間=CDの時間
AからDまでが基本数値
値段関係 E計算値 ABの値幅=BDの値幅
N計算値 ABの値幅=CDの値幅
NT計算値ACの値幅=CDの値幅
V計算値 BCの値幅=CDの値幅
この際、第二波動の終点Cが均衡表各線になるケースは多く、そうでない場合はBCの中心に均衡表が位置することになります。またDからの下落が均衡表に留まる限り、その後上げ三波動が継続する可能性を残すということになります。
実例を見てみましょう。
図は3月18日からの上げ三波動構成となります。
6月5日までの上昇では第一波動16日に対する第三波動15日が時間的に見合うものとなります。いずれの計算値も達成できず(これは上昇力が乏しいことを意味します)6月22日までの下落先行スパン上限で止まっています。
4月9日から5月19日前の下落では均衡表を割り込みましたが、基準線を中心として15日、14日の時間関係、また6月5日からの下落では6日、6日の下げ三波動構成で6月22日となっていることがわかるでしょう。
6月22日以降の上昇では細かく押しを入れての上昇となりますが、この小さな三波動の重なりでは三波動の時間内に計算値を超えるような逸脱がないことがわかります。
9月1日までの上昇はあくまで6月22日までを第二波動とする三波動の影響下にあるということです。9月1日高値142.717円は最も小さな計算値を僅かながら超えるものにはなっていますが、終値ベースで見ればN計算値水準となります。ここからの均衡表割れですから9月9日(三波動構成変化日であると同時に転換線を中心に4日、4日)反発がなければ目先の下落は当然優先されることになります。
三波動を押さえておくことは利食いのポイントを決めておくためにも必ず成しておくべきこととなります。
利食いのポイントを決める場合は計算値よりも変化日のほうが大事です。なぜなら計算値は達成するか否かは未確定ですが、時間は必ず経過するからです。
※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。