東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株高と円安を受けて大幅反発となりました。日経平均は237円高の21,947円で寄り付くと節目の22,000円を前にしばらく伸び悩みましたが、9時半ごろから上げ幅を広げると10時50分過ぎに477円高の22,187円まで上昇し413円高で前場を終えました。
434円高の22,144円でスタートした後場の日経平均は14時40分過ぎに504円高の22,214円まで上昇し本日の高値を付けるなど大きく押すことなく堅調に推移すると結局485円高の22,195円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数が反発したほか、日経ジャスダック平均も5日ぶりに反発となり、東証マザーズ指数は4%近い上昇となっています。
2.個別銘柄等
日経平均が大幅高となるなか指数寄与度の大きいソフトバンクグループ(9984)やファーストリテイリング(9983)、ファナック(6954)が大きく上昇しました。ソフトバンクグループが傘下の英半導体設計大手のアームの売却で米半導体大手の画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)と交渉入りしたと伝わったこともあって5.1%高となったほか、ファーストリテイリングが2.9%高、ファナックが3.9%高となり、この3銘柄で日経平均を155円余り押し上げました。
また、ヤフーを傘下に持つZホールディングス(4689)が急伸し18.0%高となりました。先週末の取引終了後に発表した決算で第1四半期の営業利益が前年同期比40%増の506億円となり市場予想も大きく上回ったことで買いを集めました。SGホールディングス(9143)も第1四半期の営業利益が48%近い増益となったうえ、通期の業績予想を上方修正したことから18.1%高と急伸しました。
一方で第1四半期の営業損益が赤字となったワコールホールディングス(3591)やNEC(6701)やカシオ計算機(6952)が売られ、ワコールホールディングスが6.6%安、NECが7.1%安、カシオ計算機が10.0%安となりました。セブン&アイ・ホールディングス(3382)も4.8%安となりました。米石油精製会社マラソン・ペトロリアムのコンビニエンスストア併設型ガソリンスタンド部門を210億ドルで買収すると発表したことで巨額の買収コストを嫌気した売りが出ました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は先週末の米国株高と円安を受けて7日ぶりに大幅反発となりました。先週末に割り込んだ節目の22,000円や200日移動平均線(21,958円)を回復したことで先週末に高まった下値不安は一旦後退することになりそうですが、明日以降も上昇を続けて先週末の陰線を上に放れることができるかがまずはポイントとなりそうです。
なお、今週は月初にあたり米国で重要な経済指標の発表が相次ぎます。今晩には7月の米ISM製造業景況感指数が発表されるほか、5日には米ISM非製造業景況感指数や米ADP雇用リポートが、そして週末には米雇用統計が発表される予定です。また、国内では4日のソニー(6758)や6日のトヨタ(7203)や任天堂(7974)など多くの企業が決算発表を予定しています。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )