「よく動く為替相場」へ急変

今年に入り、為替相場のボラティリティー(変動率)が軒並み急騰している。これは、3月「コロナ・ショック」を前後して暴落から一転急反騰といった具合に、相場の流れが急変した影響などがあるだろう。とくに、その典型ともいえる豪ドル/米ドルの変動率(年間高値/年間安値)は、7月30日までの段階で、すでに2010年以降の最高となっている。

豪ドル/米ドルの年間変動率は、2010年以降で調べたところ、2010年の27.1%が最高だった。ところが、今年は7月30日までの段階で、安値0.5506米ドルに対し、高値は0.7197米ドルとなり、すでに変動率は30%を上回ってきた。

このような変動率の急上昇は豪ドルに限ったものではない。ユーロ/米ドルも、昨年の6.4%に対し、今年は7月30日までの段階ですでに11%まで上昇した。

為替相場は近年、全般的にボラティリティーの低下が目立っていた。それが今年は一変している。これが、「コロナ・ショック」を受けた一過性のものに過ぎないのかはともかく、「動かない為替相場」が、「よく動く為替相場」に変わっていることへの頭の切り替えは必要だろう。

【図表】豪ドル/米ドルの日足チャート(2020年1月~)
出所:マネックストレーダーFX