東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株安を受けて続落となりました。日経平均は113円安の22,543円で寄り付くと下げ幅を広げ10時30分過ぎに203円安の22,454円まで下落し178円安で前場を終えました。後場は188円安の22,468円でスタートするとさらに下げ幅を広げ14時過ぎに291円安の22,366円まで下落しました。

結局一日を通して下げ幅を広げる展開となった日経平均は260円安の22,397円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数が4日続落となったほか、日経ジャスダック平均も続落となっています。

2.個別銘柄等

昨日の取引終了後に発表した2021年3月期の第1四半期決算を受けて大きく下落するものが目立ちました。日産(7201)は第1四半期の営業損益が1539億円の赤字となったうえ、通期も4700億円と過去最大の営業赤字になる見通しを発表したことで急落し10.4%安となりました。小糸製作所(7276)も第1四半期の営業損益が74億円の赤字となり、通期の営業利益も前期比78.2%減の180億円に止まるとの見通しを発表したことで8.9%安となっています。さらにファナック(6954)も第1四半期の営業利益が前年同期比61.3%減となったほか、通期の営業利益も前期比56.4%減と大幅な減益になる見通しを発表したことで7.7%安となっています。

また、昨日の引け後に2020年12月期の上期決算を発表したキヤノン(7751)も4-6月期の最終損益が88億円の赤字になったことに加え、中間配当を前年上期の80円から40円に減額したことで13.5%安と急落しています。

一方で自転車部品大手のシマノ(7309)は3.4%高となり上場来高値を更新しました。新型コロナウイルス感染拡大を受けて日米欧で電車やバスを避けて通勤・通学に自転車を利用する層などが増えていることなどで2020年12月期の最終利益が前期比12.5%増の583億円になりそうだとの見通しを発表したことで買われました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国株安に加えて、決算に対する冴えない反応も重石となり4日続落となりました。先週には節目の23,000円や6月に付けた戻り高値(23,178円)を試すような展開も期待されましたが、下値サポートとみられていた25日移動平均線(22,528円)を大きく割り込んだことでそうした期待も一旦後退することになりそうです。

なお、日本時間で30日の3時には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表されます。金融政策に変更はないとみられますが、どのようなメッセージが打ち出されるかが注目されます。

また、本日の引け後には三越伊勢丹ホールディングス(3099)やSCREENホールディングス(7735)、三井住友フィナンシャルホールディングス(8316)などが決算を発表するほか、今晩の米国でもボーイング(BA)やクアルコム(QCOM)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)