【日本株式市場】

1.概況

本日の日本市場は小幅に下落しました。日経平均は19円高の22,735円で寄り付くと朝方に10円安と小幅に下落する場面もありましたが、小幅高で推移すると9時40分ごろから上げ幅を広げ10時15分には126円高の22,842円まで上昇しました。しかし、買いが続かず上げ幅を縮めると後場に入って12時40分過ぎに下落に転じ13時ごろに30円安余りまで下落しました。その後13時30分ごろに小幅にプラスとなる場面もありましたが、上値は重く再び下落に転じると引け間際に69円安の22,646円まで下落しました。引けにかけてやや戻した日経平均は結局58円安の22,657円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数が3日続落となったほか、日経ジャスダック平均も5日ぶりに反落となっています。

2.個別銘柄等

第一三共(4568)が急伸し10.3%高となりました。開発中の新型抗がん剤について英製薬大手のアストラゼネカと開発・販売提携したと発表し、契約一時金や販売状況などにより対価として最大で60億ドルを受け取ると伝わったことで買いを集めました。富士フイルムホールディングス(4901)も3.1%高となりました。米政府が富士フイルムホールディングスの米国子会社による新型コロナウイルスのワクチン生産を支援するため約2億6500万ドルを拠出すると発表したことが好感されました。また、昨日の取引終了後に第1四半期の決算を発表したスタンレー電気(6923)もこれまで未定としていた2021年3月期の営業利益が前期比で2割余りの増益になりそうだとしたことで4.4%高となりました。一方で昨日の引け後に決算を発表した日立建機(6305)と三菱自動車工業(7211)が大きく下げました。日立建機は第1四半期の営業利益が前年同期比で9割近い大幅な減益となったことで6.2%安となり、三菱自動車工業も第1四半期の営業損益が534億円の赤字となったうえ、通期も1400億円の営業赤字になりそうだとしたことで12.6%安と急落しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】

本日の日経平均は小幅に3日続落となりました。朝方に下げ渋り小幅高で推移すると下値は堅いとみた買いで上げ幅を三桁に広げる場面もありましたが、後場に入り売りが優勢になると58円安で取引を終えました。日米での決算発表がこれから一段と本格化するだけに積極的には動けないということなのかもしれません。本日の引け後には信越化学工業(4063)やファナック(6954)、日産(7201)、東京エレクトロン(8035)などが決算を発表する予定で、今晩の米国でもマクドナルド(MCD)やスリーエム(MMM)、ファイザー(PFE)、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)、ビザ(V)、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など多くの企業の決算発表が予定されています。