東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は続落となりました。日経平均は37円高の22,807円でスタートすると取引開始直後に87円高の22,857円まで上昇しましたが、上値が伸び悩むと上げ幅を縮め10時過ぎに下落に転じ10時20分前には57円安の22,713円まで下落しました。しかし、下げ渋ると持ち直し3円高の22,773円で前場を終えました。後場はマイナスに転じ59円安の22,710円でスタートすると13時40分過ぎに東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多になったと伝わると下げ幅を三桁に広げ14時30分過ぎに126円安の22,643円まで下落し本日の安値を付けました。その後やや戻した日経平均は結局73円安の22,696円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って続落となっています。
2.個別銘柄等
台湾の半導体受託製造大手のTSMCが決算を発表し2020年の設備投資計画を従来の150億-160億ドルから160億-170億ドルに引き上げたことで半導体製造装置銘柄が買われました。SCREENホールディングス(7735)が一時6%以上上昇したほか、アドバンテスト(6857)も一時3%以上上げました。引けはSCREENホールディングスが2.3%高、アドバンテストが1.4%高となっています。また、システム開発の電通国際情報サービス(4812)が2020年12月期の上期予想を上方修正したことで13.3%高と急伸しました。
一方で昨日の米国市場でアメリカン航空グループ(AAL)が全従業員の約2割を解雇する可能性を社内に通知したことが明らかとなり空運株が大きく下げたことで日本市場でも日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が売られました。日本航空が2.3%安、ANAホールディングスが3.6%安となっています。カジュアル衣料大手のアダストリア(2685)も5.7%安となりました。未定としていた2021年2月期の業績予想を発表し営業損益を10億円の赤字の見通しとしたことが嫌気されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は前場こそ方向感に欠け昨日終値を挟んで揉み合う展開でしたが、後場は東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が290人以上となり昨日を上回って過去最多の見通しと伝わると売りが優勢となりました。来週は週後半が休場で取引が3日間しかないことから様子見になりやすいといえますが、そうしたなかで引き続き新型コロナウイルスの感染者数の動向に神経質な展開となりそうです。
なお、来週も米国では注目度の高い企業の決算発表が相次ぎます。例えば22日にはマイクロソフト(MSFT)やテスラ(TSLA)が、そして23日にはツイッター(TWTR)やインテル(INTC)などが決算を発表する予定です。また、日本でも決算発表がスタートし21日には日本電産(6594)が決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)