東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は反落となりました。日経平均は米国株高を受けて50円高の22,338円で寄り付きましたが、72円高の22,360円で上値が押さえられると上げ幅を縮め10時20分過ぎに下落に転じ41円安の22,246円で前場を終えました。下げ幅を広げ94円安でスタートした後場は一旦32円安まで戻しましたが、13時30分ごろから大きく下げ幅を広げると14時20分前に248円安の22,039円まで売られ本日の安値を付けました。その後引けにかけてやや持ち直した日経平均ですが結局166円安の22,121円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数が5日続落となったうえ、日経ジャスダック平均も反落となっています

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で売上高の見通しを引き上げたザイリンクス(XLNX)が大幅高となるなど半導体株の上昇が目立ち主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%近く上昇したことを受けて本日も日本市場では半導体製造装置関連銘柄が買われました。東京エレクトロン(8035)が4.9%高となり昨日に続いて上場来高値を更新したほか、アドバンテスト(6857)も2.0%高となりました。また、日本農薬(4997)が2020年3月期の営業利益の見通しを比較的利益率の高い米国向けの農薬の販売が伸びたことなどで27億円から40億円へと上方修正したことで急伸し9.8%高となっています。さらに東証マザーズ市場では外資系証券による目標株価の引き上げを受けてメルカリ(4385)が7.2%高となっています。

一方で昨日の取引終了後に第1四半期の決算を発表した産廃処理大手のダイセキ(9793)が通期の営業利益の見通しを下方修正し増益予想が一転して大幅な減益予想となったことで9.3%安となりました。子会社で土壌汚染処理大手のダイセキ環境ソリューション(1712)も同じく通期の営業利益の見通しを下方修正し増益予想が大幅な減益予想となったことで11.2%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国株高を受けて上昇してスタートしましたが、寄り付き前の8時50分に発表となった日銀短観の業況判断指数(DI)が大企業・製造業でマイナス34と前回から26ポイント悪化し市場予想も下回ったこともあって上値が伸び悩むとマイナスに転じ下げ幅を広げる展開となりました。一昨日に下値サポートとして意識されていた25日移動平均線を割り込んで、昨日も大幅反発となりながらも引けにかけて上げ幅を縮めたことで25日移動平均線を終値で上回ることができなかったことで下値不安が払しょくできなかったことが本日の想定以上の下げにつながったとみることもできそうです。

なお、今晩の米国では6月の米ISM製造業景況感指数や6月のADP全米雇用リポートに加え、6月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨などの発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)