【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25,812.88  △217.08 (6/30)
NASDAQ: 10,058.77  △184.61 (6/30)

1.概況

米国市場は経済指標の改善を受けて半導体などハイテク株を中心に買いが入り続伸となりました。ダウ平均は83ドル安でスタートすると前日終値を挟んで揉み合う展開が続きましたが、取引終盤に買いが優勢となり上げ幅を広げると一時は309ドル高まで買われる場面もありました。引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局217ドル高の25,812ドルで取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も184ポイント高の10,058ポイントとなり10,000ポイントの大台を回復しています。

2.経済指標等

6月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)は36.6と前月から上昇しましたが市場予想を下回りました。一方で6月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は98.1と前月から上昇し市場予想も上回っています。4月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比4.0%上昇し市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが2%を超える上昇となったほか、情報技術とヘルスケア、一般消費財・サービスも2%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではインテル(INTC)とマイクロソフト(MSFT)、ナイキ(NKE)、ゴールドマン・サックス(GS)が2%を超える上昇となりました。一方で前日に急伸したボーイング(BA)が航空機受注のキャンセルもあり6%近く下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が4-6月期が3四半期ぶりに黒字に転じる可能性を示唆したと伝わったことで電気自動車のテスラ(TSLA)が7%高となり上場来高値を更新しています。また、決算が市場予想を上回った半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)も5%近く上昇したほか、4-6月期の売上高の見通しを引き上げた半導体のザイリンクス(XLNX)も7%近く上げています。配車サービス大手のウーバーテクノロジーズ(UBER)も食事宅配サービス企業の買収に向け交渉しているとの伝わったことで5%近く上げ、スポーツ衣料のルルレモン・アスレティカ(LULU)も自宅用フィットネス機器の企業を買収すると発表したことで6%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い0.65%となりました。ドル円は107円90銭台で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で22,397円)を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は寄り付き前の8時50分に日銀短観の発表が予定されており注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)