東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株高を受けて3日ぶりに反発しました。164円高の22,424円で寄り付いた日経平均は9時30分過ぎに本日の安値である148円高の22,408円を付けるなどしばらく伸び悩みましたが、10時40分過ぎからやや上げ幅を広げると節目の22,500円を上回り11時過ぎに260円高の22,520円まで上昇しました。やや上げ幅を縮め22,500円を下回り214円高の22,474円で前場を終えた日経平均ですが、238円高の22,498円で後場をスタートさせると後場寄り直後に22,500円を上回り13時20分過ぎに329円高の22,589円まで上昇し本日の高値を付けました。その後もおおむね22,500円台で推移した日経平均は結局252円高の22,512円で取引を終えています。一方で新興市場は軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに続落となっています。
2.個別銘柄等
指数寄与度の大きいソフトバンクグループ(9984)と東京エレクトロン(8035)が大幅高となりこの2銘柄で日経平均を65円余り押し上げました。ソフトバンクグループは5000億円と発行済み株式総数の5.75%に当たる1億1500万株を上限とする自社株買いを発表したことで3.0%高となったほか、東京エレクトロンも昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇したことを追い風に3.3%高となり上場来高値を更新しています。
また、富士通(6702)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて5.1%高となり年初来高値を更新したうえ、かんぽ生命保険(7181)も同じく投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.9%高となりました。さらに昨日の取引終了後に発表した決算を受けて買われたのが日本オラクル(4716)で、2020年5月期の営業利益が前期比10.5%増の689億円となり市場予想も上回ったことから5.5%高となりました。
反対に昨日の引け後に発表した決算で売られたのがスカパーJSATホールディングス(9412)で大幅な減益となる2021年3月期の見通しを公表したことで4.9%安となりました。東証マザーズ市場ではアンジェス(4563)が3.4%高となり年初来高値を更新しました。開発中の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を早ければ30日にも始める見通しと伝わったことが材料視されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は米国株高を受けて反発しました。そして昨日に25日移動平均線を引けで上回り上昇トレンドを維持したこともあって節目の22,500円を回復しました。ただ、16日以降は22,500円を上回ると押し返されるといった展開が続いています。中国や米国で重要な経済指標の発表が相次ぐ来週はこうした流れを変えられるかがポイントとなりそうです。
なお、中国では30日に製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表されるほか、米国では7月1日に米ISM製造業景況感指数が、そして2日に米雇用統計が発表される予定です。また、日本では小売企業の第1四半期決算が一段と本格化するほか、7月1日には日銀短観の発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)