東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は小幅に下落となりました。日経平均は125円安の22,353円で寄り付くと取引開始直後に166円安の22,311円まで下落しましたが、10時過ぎから下げ幅を縮めると10時15分過ぎにプラスに転じ20円高の22,499円で前場を終えました。上げ幅を広げ79円高の22,558円と節目の22,500円を上回ってスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に96円高の22,575円まで買われ本日の高値を付けました。しかし、買いが続かず再び下落に転じると結局41円安の22,437円で取引を終え反落となっています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに5日続伸となっています。

2.個別銘柄等

塩野義製薬(4507)が一時3.5%高まで買われ年初来高値を更新しました。新型コロナウイルスの感染を30分程度で判定できる検査法について日本大学などとライセンス契約を結ぶと発表したことが材料視されました。引けは2.2%高となっています。また、東芝(6502)が4.9%高となりました。半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)の株式を段階的に売却する方針を固め売却益の半分以上を株主還元の原資に充てると伝わったことが好感されました。

さらに観光需要を喚起するために政府が実施する「Go Toキャンペーン」について国土交通大臣が早ければ8月のはじめから事業を開始し、来年春にわたって実施して観光業を支援する考えを示したことから航空券予約サイトのエアトリ(6191)や旅行比較サイトのトラベルコを運営しているオープンドア(3926)が買われました。エアトリが7.0%高、オープンドアが9.2%高となっています。東京ドーム(9681)も一時5%近くまで上昇しました。現在無観客で実施しているプロ野球の公式戦について7月10日から観客を入れる方針が明らかとなったことで買われました。引けは1.9%高となっています。

一方で大塚家具(8186)が一時3.6%安まで売られました。先週末の取引終了後に発表した2020年4月期の決算で最終損益が77億円の赤字となったことが嫌気されました。引けは1.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

先週末の米国市場でダウ平均が200ドルを超える下落となったことから下落してスタートした日経平均は朝方の売りが一巡すると米株価指数先物が堅調に推移していたこともありプラスに転じ節目の22,500円を上回る場面もありました。しかし、買いが続かず結局は22,500円台を維持できず反落となりました。週が変わっても節目の22,500円を超えると上値が重くなる状況に変わりはないようで、22,500円を試す展開がまだ続きそうです。なお、今晩の米国では5月の米中古住宅販売件数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)