【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26,080.10 ▼39.51 (6/18)
NASDAQ: 9,943.05 △32.52 (6/18)
1.概況
米国市場は新型コロナウイルス感染拡大の第2波への懸念が相場の重石となるなか小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は103ドル安でスタートすると取引開始直後に271ドル安まで下落しましたが、持ち直すと昼前にプラスに転じました。しかし、34ドル高で上値が押さえられると再びマイナスに転じそのまま取引終了まで軟調に推移しました。結局ダウ平均は39ドル安の26,080ドルで取引を終え続落となっています。
一方でS&P500株価指数が1ポイント高の3,115ポイントと反発したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も32ポイント高の9,943ポイントと5日続伸となっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は150万8000件と前週から5万8000件減少しましたが市場予想ほど改善しませんでした。一方で6月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は27.5と前月のマイナス43.1から大幅に改善しマイナスを見込んでいた市場予想も上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や資本財・サービス、ヘルスケアなどの7業種が下げ、不動産は1%を超える下落となりました。一方でエネルギーや生活必需品などの4業種が上げ、エネルギーは1%を上回る上昇となりました。
4.個別銘柄動向
TモバイルUS(TMUS)からプリペイド式携帯事業を買い取ることが明らかになった衛星テレビのディッシュ・ネットワーク(DISH)が携帯事業の拡大を期待した買いで4%を超える上昇となりました。TモバイルUSは携帯電話の4-6月期の契約件数が80万-90万件増えるとの見通しを発表したこともあって3%を上回る上昇となっています。また、音楽配信大手のスポティファイ・テクノロジー(SPOT)が有名タレントと独占契約を結んだと伝わったことで急伸し13%近く上げています。ネット通販支援のショッピファイ(SHOP)も目標株価の引き上げを受けて5%以上上げ上場来高値を更新しています。
一方でバイオ製薬大手のバイオジェン(BIIB)が7%以上下落しました。ウエストバージニア州の連邦地方裁判所がバイオジェンの主力製品の特許を無効とする判決を下したと伝わったことが嫌気されました。後発薬大手のマイラン(MYL)は今回の判決によって後続薬を生産できる可能性が高まったことで2%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い0.71%となりました。ドル円は106円90銭台で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向などをにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)