東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株高と米景気刺激策への期待から大幅反発となりました。381円高の21,912円で寄り付いた日経平均は取引開始直後に22,150円程度まで上げ幅を広げ、その後も大きく押すことなく堅調に推移すると22,200円台に乗せ前場を714円高の22,244円で終えました。941円高と大きく上げ幅を広げてスタートした後場は13時過ぎに787円高の22,318円まで上げ幅を縮める場面もありましたが、再び上げ幅を広げると14時30分前に1,093円高の22,624円まで上昇し本日の高値を付けました。結局、日経平均は1,051円高の22,582円と高値圏で取引を終え4日ぶりに反発となっています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに4日ぶりに反発し、東証マザーズ指数は4.5%高となっています。

2.個別銘柄等

日経平均が大幅反発となるなか寄与度が大きい銘柄が大幅高となりました。ファーストリテイリング(9983)が3.6%高となったほか、東京エレクトロン(8035)も5.4%高、ファナック(6954)も6.7%高となっています。バルチック海運指数が大幅高となったことで海運株が買われました。日本郵船(9101)が7.9%高、商船三井(9104)が10.0%高、川崎汽船(9107)が10.2%高となっています。また、トランプ米政権が大規模なインフラ計画の提案を準備していると伝わったことでコマツ(6301)が買われ7.5%高となりました。

一方で急落となったのが昨日の取引終了後に上期決算を発表したパーク24(4666)で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自動車での移動減少で時間貸し駐車場の需要が落ち込んだことから上期の営業損益が12億円の赤字となり、通期の営業損益の見通しも従来の267億円の黒字から一転して242億円の赤字となったことで8.1%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は昨日の米国株高に加えて、トランプ米政権が景気てこ入れ策の一環として1兆ドルに近いインフラ計画の提案を準備していると伝わったことで後場に一段高となり大幅反発となりました。その結果、日経平均は200日移動平均線(21,765円)を一日であっさりと回復し、さらに節目の22,500円も超えて昨日の下げを大きく上回る上昇となりました。昨日に25日移動平均線で下げ止まり、本日1,000円を超える大幅な上昇となったことから調整一巡への期待も高まりそうです。なお、日銀は昼前に金融政策決定会合の結果を発表し金融政策の現状維持を決めています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)