英ポンド／米ドル（1.2500〜1.3520） 6月11日～6月17日まで
アナリシス：
皆さま、こんにちは！本日（6月11日）のトップニュースは本日未明のFOMC（米連邦公開市場委員会）でしょう。政策金利は据え置きとなりましたが、2022年まではゼロ金利政策の実施が発表されました。これを受けてドルは全面安。株価も下落です。反面、金は上昇しました。また原油は一時上昇したものの、株安も受けて行ってこいの動きとなり、限定的な上昇にとどまりました。
さて、こちらのレポートで追いかけていました英国とEUの離脱後の交渉は、第4ラウンドに突入し、6月5日に終了しました。大きな進展は見られませんでした。
EUが求める環境・労働基準の統一など公正な競争条件（レベル・プレイング・フィールド）の確保や英領海での漁業権へのアクセスに、英国が引き続き抵抗を示したことが大きな要因です。しかし双方とも交渉を加速させる意欲は示しており、交渉期限の10月末までには何とか決着を付けたい模様です。次回第5ラウンドは対面で協議を行う可能性もあるようです。
EUのバルニエ首席交渉官はこの日の記者会見で、今回の交渉では、レベル・プレイング・フィールド、 漁業権、警察・司法協力に必要な人権問題、将来的な関係の統治問題、以上の4点を柱に協議したと説明。このうちレベル・プレイング・フィールドと統治問題については全く進展がなく、漁業権についても英国が区画による割り当てと毎年の更新にこだわったことで行き詰まったとしています。一方、警察・司法協力については、欧州人権条約の受け入れに向け、やや建設的な協議が行われたとしています。
また6月10日、バルニエ首席交渉官は、英国はEUとの貿易関係において、多くのことを求めすぎていると発言しました。英国はカナダや日本との貿易協定よりもEUに対して多くのことを要求。また、EU加盟時の利点を制約なく維持しようとしている点が多岐に渡り散見され、義務を負わずにEU単一市場の最も魅力的な部分を得ようとしていると述べています。
英国のEU離脱後の移行期間は12月31日に終了します。この日までに貿易協定が締結されない場合、2021年以降の英・EU間の貿易には、世界貿易機関（WTO）のルールに基づく関税や輸入量の割り当てが適用されることになります。移行期間の延長は6月末までに双方の合意があれば可能ではあるものの、英政府はEUが延長を望んでも応じない姿勢を示しています。
今回の交渉によるユーロやポンドの動きはほぼ無風でした。交渉が難航してもポンド売りの動きがなかったことから、決定的な交渉決裂のニュースがない限り、ユーロ売り・ポンド売りの動きには繋がらないことが確定ではないにしても、強く推測できることが確認されました。
来る第5ラウンドでは、よりユーロ高、ポンド高になるような交渉の進展を伝えるニュースに注意したいところです。
向こう1週間の重要指標です。
6月11日（木）
21:30 米・新規失業保険申請件数、失業保険継続受給者数
6月12日（金）
15:00 英・GDP
6月16日（火）
15:00 英・失業率
15:30 日・黒田日銀総裁定例記者会見
18:00 EUR・ZEW景況感調査
21:30 米・小売売上高
23:00 米・パウエルFRB議長発言
未明 日・日銀金融政策決定会合、終了後政策金利
6月17日（水）
15:00 英・消費者物価指数、卸売物価指数
18:00 EUR・消費者物価指数
それでは、月足チャートです。
トレンドレス中段。上昇傾向にあります。
続いて、週足チャートです。
トレンドレス中段。ミドルを上抜けて＋2σまでゆとりあり。
日足チャートです。
短期的にはアップトレンド。大きく見たらトレンドレス上段。＋2σまでゆとりもあるので、アップトレンド継続可能な場面です。
次に4時間足です。
アップトレンド4波押し目形成場面。このままミドルに支えられて上昇するか、一旦中段保合い入りをするかの場面。
上記の分析からエントリーポイントとして、
予想レンジ：1.2500〜1.3520
メインストラテジー：
買いをするなら
・1.2710〜30で4時間足ミドル反発＋短期足中段保合いの順張りエントリー。
・日足MAもしくはミドル反発＋4時間足中段保合いの順張りエントリー。
（想定価格：1.2620〜40）
・日足＋1σ反発＋１時間足中段保合いの順張りエントリー。
売りをするなら
・1.2780〜90の日足トレンドレス上段＋4時間足Wトップのトレ転でエントリー。
・1.3320〜60の週足トレンドレス上段からの逆張りエントリー。
