東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に反発しました。日経平均は152円安の22,939円と節目の23,000円を割り込んで寄り付くとまもなくして190円安の22,900円まで下げ幅を広げましたが、朝方の売りが一巡すると持ち直し23,000円を回復して10時50分前にプラスに転じ、11時20分前には59円高の23,150円まで上昇しました。24円高の23,115円で前場を終えた日経平均は後場の取引を前日比ほぼ横ばいでスタートさせるとしばらく昨日終値を挟んで小幅に揉み合いました。しかし、13時50分ごろから徐々に買いが優勢となり14時45分には84円高の23,175円まで上昇し本日の高値を付けました。その後引けにかけて上げ幅を縮めた日経平均は結局33円高の23,124円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に続落となっています。

また、新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに4日続伸となっています。

2.個別銘柄等

タカラバイオ(4974)が急伸しストップ高となりました。新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査を2時間弱で最大5,000件超を検査する手法を開発し、米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請中で近く承認を得られる見通しと伝わったことで買いを集めました。宝ホールディングス(2531)も9.9%高と急伸しています。古河電池(6937)も昨日に続いてストップ高となりました。トータルコストを半分以下に抑えることができるという次世代型蓄電池を開発したと発表したことを材料視した買いが続きました。三井ハイテック(6966)も急伸し13.5%高となりました。昨日の取引終了後に発表した2021年1月期の第1四半期決算で半導体部品の好調などを受けて営業損益が黒字転換したことが好感されました。

一方で大手ゼネコンが目標株価の引き下げを受けて売られました。大成建設(1801)が3.8%安、大林組(1802)が4.9%安、清水建設(1803)が4.4%安、鹿島建設(1812)が2.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は小幅に反発しました。昨日の米国市場でダウ平均が300ドル安となりドル円も107円台半ばまで円高に振れるなかで、昨日時点での25日移動平均線との乖離率が依然として9%を超えていたこともあって下げ幅を大きく広げてもおかしくない状況だったといえますが、朝方の売りが一巡すると買いが優勢となりました。急ピッチでの上昇が続くなかで押し目を待っている投資家が多く下がりにくいということなのかもしれません。

なお、日本時間の明日の午前3時に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表されます。事実上のゼロ金利政策は維持されるとみられていますが、無制限としてきた資産購入について米国債を毎月決まった額買い入れる方針に移行する可能性に加え、ゼロ金利を長期間続けると約束するフォワード・ガイダンスの強化やイールドカーブ・コントロールなどが導入されるのではとの見方もあり注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)